「やる気はあっても動けない」自分を操るコツ 脳科学的に正しいやり方、教えます
目標を考える際、私は「引力目標」と「後押し目標」という言葉を使います。「引力目標」とは、たとえば100mを9.9秒で走ろうというような、数値化されたものです。選手はこの目標に引っ張られるように努力します。
さらに、目標達成には「いつまでに」という期限も必要です。これが「後押し目標」です。9.9秒という記録を達成するのは年内か、来年までか、それとも4年後か……その期限を定めることで、行動につながります。
大学時代にヨット部に所属していた私の娘から、こんな話を聞きました。ヨットを操る時、コーチが「力いっぱいロープを握れ!」と指示しても、クルーは力いっぱいには握れないそうです。ところが「10秒間握れ」と言われると、それに向かって頑張れる。つまり数字が入るか入らないかで、クルーの動きはまったく違ってくるのだそうです。
目標は小刻みに設定しよう
ですから目標は、できるだけ小刻みに設定したほうが行動に移せるようになります。ダイエットの計画を立てるとき、「1年間で12kgやせよう」と目標を設定するのと、「1カ月で1㎏ずつやせよう」と設定するのとでは、どちらが続けやすいと思いますか? 年間よりも月間の目標のほうが達成しやすいと思いませんか。さらにもっと細かく「1日30g」と設定できれば、日々クリアすること自体が楽しくなるかもしれません。
1年を通して何かに挑戦し続けられるほど、人間の意志は強くありません。実現が困難に思えてしまうような目標を掲げて、3日坊主に終わるくらいなら、より簡単に見える目標に置き換えてみましょう。
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