2100年までの世界経済の姿を考えるために、米国の1人当たりGDPを基準に各国・地域を予想してみよう。2015年の1人当たりGDPは、米国を100とすると、英国は78.8、日本は58.1、ユーロ圏は61.8、中国は14.5でインドは2.8である。
21世紀末の時点で中国やインドの1人当たりGDPがどこまで米国の水準に近づいているのかを予測することは難しい。両国の1人当たりGDPが米国と並ぶ水準になるというのは過大かも知れないが、逆に大きく下回ったままだと考えるのは明らかに過小だろう。ここでは中国とインドの1人当たりGDPが緩やかに米国の水準に近づいていき、2100年時点で中国の一人当たりGDPが米国の6割弱、インドが4割強になると仮定した。また、日本やユーロ圏、英国も米国との差が現在よりも縮小して、米国の8割程度になると仮定している。
中国やインドの躍進で米国は相対的に小さくなる
このシナリオでは21世紀半ばには中国の経済規模が米国を上回るようになる。この時点での中国の1人当たりGDPは、米国の4分の1程度に過ぎない。インドの経済規模が米国を上回る条件は中国よりもさらに緩やかで、1人当たりGDPが米国の23%を上回ったところで経済規模が逆転する。2100年にはインドが世界経済の約2割を占める最大の経済となり、中国が16.4%を占めてこれに次ぐ規模となる。米国は12.6%で世界第3位に後退し、ユーロ圏は7%弱、日本と英国は2%を下回る規模となるだろう。
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