各国を比較するためにはGDPを米ドルに換算しなくてはならないが、市場の為替レートはかなりの変動がある。このため1人当たりGDPの相対的な関係も影響を受けている。例えば日本の1人当たりGDPは、米国がレーガノミクス下の高金利でドル高だった1980年代前半には米国の3分の2程度だったが、著しい円高となった1995年には米国の1.5倍近くに達した。
2100年までの経済規模の変化を予想する
各国政府が驚くような成功も失敗もしないとすれば、相対的な経済規模の動きを左右するのは人口規模だ。2100年には中国の人口は日本の12.1倍になっていると予測されており、この時点で日本が中国と同じ経済規模になるためには、1人当たりGDPが中国の12倍以上にならなくてはならない。経済政策の失敗が続くようなことでもなければ、このような大差が発生することはないはずだ。実際に先進諸国の1人当たりGDPの相対順位はかなりの変動を見せているが、数倍というような格差は発生していない。
国連の予測では、中国の人口は2020年頃には減少に転じて21世紀末には10億人に減少する。代わって人口規模が世界一となるのはインドで、2100年には16億人を超えて中国の約1.5倍となる。米国の人口は増加を続けるとみられているが、2100年時点の人口は約4.5億人で中国の半分以下、インドの約4分の1程度である。日本やユーロ圏の人口はゆるやかな減少を続けて、世界の人口に占める割合は日本は1%未満、ユーロ圏でも1.5%程度になってしまう。
1950年時点では、欧州の人口は世界の21.7%を占めていたが、2100年にはわずか5.8%を占めるに過ぎなくなる。代わってアフリカの人口は1950年の9.1%から39.1%へと大きく比率が高まると予想されている。
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