トランプ政権の「キーパーソン」は誰なのか 主要ポストに就く人物で政策が決まる

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首席補佐官になったあかつきには、2人はそれぞれまったく異なるアプローチを取るだろう。首席補佐官とは大統領への情報の流れを管理し、大統領執務室に最も長い時間いる存在で、しばしばワシントンで2番目の権力者と言われる。

バノン氏は保守系ウェブサイトの経営者で、ゴールドマン・サックスの重役を勤めた経験もある。ポール・ライアン下院議長の仇敵であることは周知の事実だ。

反エスタブリッシュメントの過激発言で知られ、オルタナ右翼運動とのつながりもあるバノン氏は、現共和党指導部の下で共和党が過半数を占める議会との妥協にはほとんど関心を示さないかも知れない。現在の移民制度についてははっきり批判的で、選挙戦の終盤、トランプに対して繰り返し、グローバル化への反対論を唱えて共和党の支持層に訴えるよう求めていた。

プリーバス氏の手腕は?

一方のプリーバス氏は、党への忠誠心が強く、共和党幹部とトランプの関係を取り持とうとしてきた。ライアン議長ら党幹部と政権との橋渡し役を果たす可能性が強い。ワシントン政界での経験が豊かで一緒に仕事をしやすい相手との評価も高いことから、従来型に近いホワイトハウス運営を行うだろう。もっともトランプの派手なキャラクターから言って、従来型にも限界はあるが。

バノン氏とプリーバス氏はある意味、トランプ氏がどんなタイプの大統領になるかをめぐる「代理戦争」を戦っていると言える。共和党の元幹部の中には、トランプ氏が穏健な考え方の影響を受けるようになるのではと期待を示す人もいれば、他人の言うことなど聞きはしないのではと懸念する人もいる。

「彼が票を獲得するために言ったことと、彼が実際に信じていることの間の緊張関係は常にある」と、ジョージ・W・ブッシュ前大統領の下で国家情報長官を務めたジョン・ネグロポンテ氏は言う。「彼はどのくらい都合よく過去を忘れるだろうか?」

(執筆:Mark Landler記者、翻訳:村井裕美)

(c) 2016 New York Times News Service
 

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