林大臣! 参院選はどうなりますか? 林芳正農林水産大臣vs.春香クリスティーン(上)
林:「失意泰然」とは失敗したときや負けたときに泰然と、緩やかに大らかに思っているという意味です。その逆で、「得意淡然」っていうのは、勝ったほうがおごらないということですね。
というのも、最近、ちょっと気になるのが小選挙区制度になってから、非常にスイングが激しいということです。実際に昨年12月の選挙のデータと、3年前、われわれ(自民党)が負けたときの選挙を比べると、そんなに得票は大きく違っていないんです。
小選挙区制度っていうのは、得票率よりも議席の占有率が非常に大きくなるという傾向があるんです。だから、そこはわかっていて、それがさっきの得意淡然につながっていると。謙虚さを失わないということだと思いますね。
春香:そこまで圧勝してしまうと、ほかの野党に比べて、ひとつの意見が強すぎるんじゃないかという不安もあります。
林:多数であったとしても、少数派の意見をよく聞いて、なるべく全会一致が望ましいわけです。だけど、どうしても議論が収束できなければ、最後は多数決でやると。こういう姿勢がつねに望ましいし、議会にはそういう前例を積み重ねた慣例というのがあるんですね。こういう先人の知恵をしっかり踏まえて、議会でなるべく議論すると。
残念なことは、民主党のときはそういう慣例とか、役人をきちっと使うとかっていうところが、ないがしろにされたことがあった。そこが荒々しくなってしまったので、きちっと落ち着いた政治に戻すと。これは、われわれになってできてきていると思います。
対立軸はどうなる?
春香:これまで「自民対民主」という構図がずっとありましたけど、民主党はこの前の選挙で敗れました。昔と比べると、きちんと対立する意見を出せる野党というのがなくなったんじゃないかという感覚があるんですけども。
林:たぶん、中長期的に見ますと、今まで自民党よりも保守的な政党というのはなかった。”右”とか”左”で言うと、右の方に自民党がいて、必ずわれわれ以外の側に、「中道」や「革新」と言われているところがあったんです。
今は新しく出てきた維新の会やみんなの党など、たぶん、自民党よりも保守的なところにいる党が出てきた。今までこういう構図はあまりなかったですね。そうなると、保守と革新の二項対立には、もうなかなかならないんじゃないかと。
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