成果が出ない人は「学びの深さ」に原因がある 「セミナージプシー」に陥る人は本質から遠い

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そしてこの学ぶ過程で意識してもらいたいのが、コツ3のアウトプットを意識するということです。

評価を受けて使えるレベルか判断しよう

コツ3:アウトプットを意識する

コツ2でオープンにすると応援されますよと言いましたが、もちろんそれだけでなく、課題などを指摘されることもあります。しかし、ビジネスパーソンの学びには、実は「打たれる」ことが必要です。アウトプットに評価を受けて初めて、実践で使えるレベルかどうかという判断が可能になります。

アウトプットの場は、待っていればいつか機会がくるというものではありません。自分からアウトプットの場を作る必要があります。

もしプレゼンテーションのスキルを習得したいのなら、週に1回は自分がプレゼンして評価をもらう場を作りましょう。財務諸表を読めるようになりたいなら、実際に財務諸表を読み込んで企業分析をして株を買ってみましょう。人から厳しい評価を受けたり、自分の分析が役に立っていなかったという経験が、実力をつける過程では絶対に必要です。

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打たれることを恐れていては、学習は成果につながりません。この“打たれて上等”、もっといい言い方をすれば“トライアンドエラー”のマインドこそが、ビジネスパーソンの学びの真髄と言ってもいいかもしれません。

本当にビジネスで失敗しては取り返しのつかないことになってしまいますが、そうなる前に、転んでも大丈夫な場を自分で作り出し、そこで打たれることで気づきをたくさん得ること。これがビジネスパーソンの学びの3つめのコツです。

ちなみにある外国人の先生に伺った言葉ですが、日本人は学んでスキルがあるにもかかわらず、中々リアルビジネスに踏み出さず、もっともっと勉強しようとする姿勢が強いため、“プロフェッショナル・ステューデント”という有難くない言い方をされるそうです。学びにゴールはないとはいえ、いつまでも座学ではやはり成果には結びつきません。ある程度まで学んだところで、アウトプットや実践を通じた学びに徐々にシフトしていきましょう。

このアウトプット経験も2のようにオープンにすることで、さらに実践的なアドバイスが集まること請け合いです。自分の失敗は人類初の失敗ではありません。多くの先輩たちがたくさん失敗から成功の秘訣を得ています。先達の知恵は貪欲にお借りしましょう。

ビジネスパーソンの学びは、時間との戦いでもあり、決して楽ではありませんが、学ぶ力には「複利効果」もあります。ひとつのテーマを習熟して得られる「こうやればうまくいく」というコツと自信が次の新たなテーマを学ぶ速度やトライアンドエラーの質を上げていきます。よりよいキャリアを描いていくうえで武器になる「学び力」。ぜひ若いうちから意識して身に付けることをおすすめします。

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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