これは、もっと簡略化すれば、1万6000円割れは数回に分けて買い、1万6000円~1万7000円は買いも売りも見送り、1万7000円超えは数回に分けて売るという形に置き換えることができるでしょう。日経平均株価に連動するETF等で、このような売買を機械的に繰り返すだけでいいというわけです。
それでは、トランプ大統領が誕生したからといって、この投資戦略を修正する必要があるのでしょうか。私はトランプの勝利後のスピーチを聞いているかぎり、今のボックス相場に変化はないだろうと考えています。要するに、今の投資戦略を修正する必要はまったくないだろうと見ているわけです。
来年5月の仏大統領選まで大きなリスクはない?
これまでトランプ氏は選挙戦において繰り返し国民の分断を煽ってきましたが、そんな彼が勝利後のスピーチで国民の団結を呼びかけていたのには、正直申し上げて非常に驚きました。今まで私たちが見てきた彼はある意味では虚像であり、本当のところは現実を直視し、国民の分断を決定づけるような極端な公約を修正できる人物であるのかもしれません。
そうであるならば、株式市場では来年5月のフランス大統領選までは大したリスクはないだろうと見ております。来年の日経平均株価を見る時に重視すべきは、上値1万7905円~下値1万4864円のボックストレンドの下値を突き破ってしまうのか、あるいは下値1万4864円で強い抵抗を見せるのか、冷静に見極めなければならないということです。来年のポイントは、株価がボックス圏の下値1万4864円をキープできるのか、この一点に尽きると考えることができます。
拙書でも述べていますように、来年の金融市場に関する予想は、私が昨年末に今年の予想をした時よりも、格段に難しくなっているように思われます。円相場にしても株式相場にしても、次のトレンドへの転換を以って事後的に判断するしかないからです。おまけに、政治的なイベントの日程を把握していたとしても、それらの結果が前もって読むのが難しいという問題もあるのです。
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