株価乱高下の犯人はヘッジファンドじゃない ぐっちーさんが読む、ちょっと先のマーケット

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何度も言いますが、これ以上金融緩和を強化しても国債市場をぶっ壊すだけで(事実壊れた)、問題は日銀から銀行に流れた膨大な資金をどうやって必要な所に貸し付けなどで流し込めるかどうか。もちろんやみくもに使ってしまって不良債権の山、では話になりませんね。

しかしこうやって紫波町のように地元が真剣に取り組むなら、官(エクイティー)民(融資)が一体となって、有効な資金活用によってサポートすることが可能になって、豚積みする必要もだんだんなくなる筈です。

まともに融資できない金融機関は消え去れ

元来はこんなことは諮問委員会に指摘されずとも、金融マンたるものリスクを取りにいく努力をしなければなりません。しかし、当事者ができないとなれば、その程度の圧力は日銀がかけても良いのではないでしょうか。まともに融資できない金融機関は消え去れ、ということです。

もちろん、疑問があるプロジェクトを却下するのはもちろんですが、日本の金融機関が信金から都銀まで雁首並べて新規案件に及び腰になり、国債ばかり買ってあとは豚積み、というのでは金融機関の矜持はどこにいったのかと聞きたくなる。真面目にやっている中小企業にすべてそのしわ寄せが来るのです。

その意味ではどうやったら銀行から金が引っ張り出せるか、という方向性を示した今回の諮問委員会はよくやった、と言えるかもしれません。

実は同じことがベンチャー企業に対する融資についても言えます。日本では本当にベンチャーが育たない。ほとんどが壊滅状態で、特に薬品などのベンチャーは倒産寸前にアメリカの企業に買いたたかれ、ノウハウごと持っていかれ、アメリカで新薬となってご丁寧に日本に輸入されているものがたくさんあるのですよ。これを国家的損失と言わずして何なのでしょうか。

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