そして中学生は毎日のようにステメを更新します。ステメに何を書いているのでしょうか。もっとも多いのは、ポエムです。
「君の笑顔が 私を強くする 今日はありがと 君の一言に救われた あの子のところに行かないで」
なぜこんなに中学生はポエムが好きなのでしょう。大人になるにつれて忘れてしまったこの思いを取り戻したい気もしますが、戻れないのが青春です。そして、ポエムといえば「恋」です。ラブソングの歌詞を全部書くだけでなく、好きな人への思いをオリジナルの詩にして書き込みます。もちろん、相手の名前をはっきりとは書きません。相手を特定したくないが周囲にはわかってほしいため、少しにおわせるような、絶妙なバランスで書き込みます。
逆に、日記のようにカジュアルに書いている子もいます。「今日のテレビ、○○が最高すぎ!」とか、「修学旅行楽しかったー! 1日目は~」など、その日の出来事を記します。タイムラインとのすみ分けが難しいのですが、タイムラインに広告が多数表示されるようになった今、ステメのほうが「友だち」に読まれると判断しているのかもしれません。
また、プロフィール画像を色違いのイラストで「ペア画」するように、ステメもおそろいにする子たちもいます。女子同士、彼氏彼女、同じ部活など、一斉にそろえると自分たちの仲良しぶりや団結力を周囲に示すことができます。
ステメの交流も楽しいのですが、ちょっと困った使い方もあります。それは、女子を悩ませる悪口ステメです。
誰宛てとは書かずにステメに悪口
ステメには、誰ともなしに言いたいような、独り言を残せます。そういう意味では、思いを吐露しやすいTwitterに似ているところがあります。しかも、「友だち」から返信コメントがつかないため、いちいち「どうしたの?」と聞かれることもありません。さらに、何回もスクロールしなければ最後まで文章を読むことができないため、内緒で書いているような感覚もあります。こうした特性を生かして、黒い心を開いてしまう中学生が多いのです。
「いっつもうちについてくるけど マジうざい 男の前ではいい子ぶっちゃって 裏表あるのバレてるよ」
こんな風に書かれると、この子とよく一緒にいる友人は「私のこと?」と不安になりますよね。周囲の子も「A子のステメ、B子のことかな」とトークで語り合い、学校でも不穏な空気になります。
悪口ステメは、部活の上下関係でも行われます。中学生は先輩、後輩のもめ事が最も多い時期です。明らかに後輩の悪口でも、それを先輩に聞ける後輩はいないでしょう。勇気を出して「自分のことですか?」と聞いても、違うと言われてしまう可能性もあります。「おそらく自分のことだけど、はっきりとはわからない」という、もやもやした気持ちだけが残ります。
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