アメリカ「大麻合法化」は大統領選で加速する カリフォルニアなどが合法化に向け住民投票
米調査会社アークビュー・マーケット・リサーチによると、2015年の米国での「合法」大麻の販売額は54億ドルと前年比17%増加、今年はさらに67億ドルまで膨らむ見込みだ。今回の住民投票でカリフォルニア州の全面解禁が認められればその経済効果は絶大とみられ、2020年の大麻市場規模は218億ドルに達する見通しだという。
1930年代に大麻を非合法化し、1970年代にニクソン政権下で「対ドラッグ戦争」に踏み切った米国が、なぜ合法化に向かって進みつつあるのだろうか。その理由はいくつもある。
刑務所がパンク状態であることも合法化を後押し
まず、長年行ってきた「対ドラッグ戦争」が、莫大なコストに見合う成果を挙げられなかった。そのため、各州の麻薬取り締まりにかかる経済的負担を見直す動きが強まった。
また、大麻所持などによる服役者が増えていることで、各州の刑務所がパンク状態にあるという問題もある。逮捕などによって多くの若者の将来が傷付けられている、との認識が広がっていることもあるだろう。
ヒラリー・クリントン氏は、大統領になった暁には大麻を「スケジュール1」から、医療効果はあるが濫用の可能性もある「スケジュール2」に下げることを公約に掲げている。予備選で同氏と戦って敗れたバーニー・サンダース上院議員は、大麻をドラッグのカテゴリーから外す「ディ・スケジューリング」を公約していたし、ドナルド・トランプ候補も医療用での利用は支持すると公言している。どちらが勝利しようとも、今回の選挙で、再び「合法化の波」が大きくなることが考えられるだろう。
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