ミッドタウンのオークウッドには小錦の手形が
なお私は大昔、ミッドタウンにあるオークウッドでしばらく過ごしたことがあるのだが、ここも非常にすばらしいクオリティを誇っている。日本でもかなり有名な人たちが住んでいてラウンジにたまにいるのだが、毎朝出る朝食や毎週木曜のカクテルパーティで結構お目にかかることができるので、よっぽどカネの余っている読者の皆さんは、クオリティに関して不満に思うことはまずないだろう。
あの頃はいつも小錦関の手形がラウンジの入口に置かれてオークションにかけられていたが、だいたいいくらの値段がついていたかに関心のある方はこちらまでどうぞ。
ちなみに余談だが、毎朝と木曜の夜に出されるドリンクや食事はすべてかなりこだわりの逸品で、私は見逃さなかったのだが、朝食のゆでたまごやヨーグルト、そして玄関にいつもおいてあるリンゴも質が高く、冷めたフレンチトースト以外はすべて私のお気に入りであった(ここだけの話、わが母ミセス・パンプキンが来るたびに、入口のリンゴを3つも持ってきて食べていたことが思い出される)。そしてあの恐ろしく快適なベッドのシーツといい、どこで売っているのか教えてほしいものである。
国債を売って、最高級コンドを買うべし
さて、都心の一等地に売りに出されている一部の最高級物件に関してだが、あなたがもう金儲けとかから引退できるいわゆる10億円クラブの方であれば、これは投資対象とかせこいこと言わず、どーんと買っていただきたい。
人口が減る日本だが、東京には人口流入が続いていて都心の一等地のプレミア物件は値が底堅いが、買いたい金持ち層もたっぷりいるので、当然、周辺の同等のサイズの物件よりかはプレミアムが付与されるし、今後、外国人からの買い需要も集まるだろう。
ただネット資産が何億円どころか何十億円もあって、あと100年生きて息子と娘4人およびついでに私に財産を分与しても到底使い切れない方は、ここはドーンと購入に踏み切られて余生を送られてはいかがか。日本人の美徳としてひたすら貯金することが挙げられるが、時には使うことも学ばなければならない。貯め込んだ資金を使う前に人生が終わると、相続税やら何やらで、結局政治家に無駄遣いされるだけである。国債を買いこんでも今起こってるように、結局は紙幣を大増刷されてインフレで吹き飛ばされるのが関の山なのだ。
これは日本の経済の現状を考えるとこれしか道がない気もするが、国債保有者からそうでない人々への強制的な富の移転であり、かつ年金や保険を通じて間接的に国債をたっぷり保有させられていることに、損している国民が気付いていないのがすごい(ちなみに不動産価格はマネーサプライにもろに連動するのでインフレヘッジが効く)。なおこの議論はちょうど昨日、ハーバード経済学部の博士号を持っている友人に見解を確認したので、ももクロ情勢に関する誤認で信頼が地に落ちた私であるが、今回ばかりは信頼していただきたい。
しかしまぁ、固い話はおいておいて、(仮に値下がりしても平気な余剰資金で)めでたく港区に高級コンドを買われた日には、(別に買わなくてもできることだが)隣のミッドタウンや近所の美術館を楽しみ、再開発されてすっかり便利になった六本木を散策し、ちょっとタクシーを走らせて立ち寄れる、とんでもなくおいしい“麻布シチュー”や、赤のれんのラーメン(麺の固さは“粉落とし”でお願いします)を食されてはいかがだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら