モーニング娘。矢口真里さんへのキャリアアドバイス
さて、前回のコラムでお約束したように、今回は日本のお茶の間を騒がせている矢口真里さんへのキャリアアドバイスをお届けしよう。まず世間の関心が鎮まるまでほとぼりがさめるのを待つ、という現在とられていると思われる戦略は、長期的にみて誠実さに対する印象にさらにヒビが入るだろう。こういう失敗をしたとき、窮地に立たされたときの対応を、見ている人は見ているもので、困難なときの対応こそ人はずっと覚えているものなのだ。
一連の報道が事実だとしたら(きっと間違いや誇張もふんだんに盛り込まれているし、きっと矢口さん側の言い分もあるのだろうが)、確かにとんでもない過ちではあるが、元旦那やご家族以外で真摯に謝るべきは、あなたを信頼して仕事をくれたのに大迷惑をかけてしまった広告主の企業と事務所、そしてこんなときでもあなたのことを本気で心配してくれている一部の友人とコアなファンであろう。
そのほかのいわゆる“世間”というのは、単に面白おかしく他人の不幸を騒ぎたいだけなので、100%無視である。だいたい人間はみな(一部の聖人を除き)規模の大小はあれ、非道徳的で過ちが多いくせに、自分には甘く他人には厳しい弱い生き物なのだから。そして何よりも今回のあなたの不倫ないし離婚劇は、一部の暇人を除く一般の人々にとって世界で1位、2位を争うほど、どうでもいいことなのである。
さて、前回のアイドルコラムも大炎上してしまったグローバルエリートであるが、きっと今回の矢口さんへのアドバイスも炎上して、編集部の私へのメッセージコーナーも焦土と化すに違いない。そんなとき、私の応援団はどこにいるのかというと、やはりキャリア論やグローバル金融ネタといった本業の周辺にいらっしゃるのでは、と想い、グローバル・アイドル評論家はこれをもって卒業し、私のホームグラウンドに帰還することにした。先日篠田麻里子さんがAKBを惜しまれて卒業されたが、私はこの二回のコラムをもって、アイドル評論家を惜しまれずに引退することとしたい。
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