ハロウィーン迷惑行為、渋谷区の対策とは? アンチを味方にして、市場を育てていけるか

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また、渋谷区は仮装のための更衣室や仮設トイレを設置。場所を分散し動線をばらけさせる工夫もした。ゴミ捨て場にも夕方から翌朝8時までスタッフが常駐するようにした。昨年、23時にスタッフが帰った後、無造作にゴミが捨てられてその場が荒れた反省を生かした。

昨年はハロウィーン当日の10月31日が土曜日に当たり、騒ぎも当日がピークだった。今年は31日が月曜日でいつ人が集まるか予測がつかなかったことから、28日(金)~31日(月)の4日間を対策期間に設定。また当該日の翌朝には、ボランティアによる清掃活動も実施した。「誰かがやらなければ街はきれいにならない。しんがりとして務めを果たしたい」(渋谷区安全対策課)。

対策費用は企業の協賛金で賄った

これらもろもろの費用は600万円以上かかったが、税金ではなくすべて企業からの協賛金で賄った。“アンチ”が増えれば、拡大中のハロウィーン市場の勢いがそがれかねない。「ハロウィンごみゼロ大作戦 in 渋谷 2016」と銘打たれた今回の対策では、ドンキのほかに東京急行電鉄や渋谷に本社を置くミクシィなどが協賛した。

今年もけんかや騒音など迷惑行為は散発したが、ボランティアが掃除を行うなどの慈善行為も見られた。渋谷区の担当者は役所に泊まり込み、連日対応に当たった。

今年一層認知度を高めたハロウィーンは、市場としてどこまで伸びが見込めるのか。

ドンキの場合、郊外店舗では、渋谷店のような都市店舗に比べて1店舗当たりの関連売り上げは小さいものの、ファミリー層向けに徐々に浸透。若者にいち早く普及したのに対し、ファミリー向けは成長途上で伸び率も大きい。

消費マインドが低迷する中、ハロウィーンは拡大が見込める希少な市場。育てていけるかはアンチを味方にできるかに懸かっている。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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