ハロウィーン迷惑行為、渋谷区の対策とは? アンチを味方にして、市場を育てていけるか
渋谷センター街には、ド派手な仮装をした若者たちで埋め尽くされた異様な光景が広がっていた。
「立ち止まることなくお進みください」。警察が拡声器で呼びかける。写真撮影で立ち止まる人も多く、ひとたび群衆に飲み込まれると身動きもままならない。
仮装をした人たちが大挙して渋谷に押し寄せるようになったのは、ここ数年の出来事だ。ハロウィーンはもとは古代ケルト人が秋の収穫を祝い、悪霊を追い出すため10月31日に行う祭りであった。現代では米国などで仮装した子どもたちが近所の家々を回ってお菓子をもらう行事として定着しているが、日本では若者が中心の仮装イベントとして盛り上がりを見せている。
市場規模はバレンタインデーに匹敵
その関連消費は年々膨張。日本記念日協会によると、小売り各社の商品やレジャーランドでのイベントなどを含めた市場規模は昨年1220億円に到達。今年はバレンタインデーに匹敵する1345億円にまで伸びたと推計されている。
博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平氏は、「10月は若者が楽しめるイベントがこれまでなかった。男女のつながりが必要なバレンタインと異なり、ハロウィーンは友達同士などでも楽しめることが普及した要因」と分析する。
このビジネスチャンスに乗り遅れまいと各社が躍起になる中、ドンキホーテホールディングス(ドンキ)は、10年以上前から仮装グッズなどを展開。当初は客の認知がほとんどなかったが、2009年ごろから急速に売り上げが伸び始め、昨年はクリスマス関連に迫るまでになった。
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