ハロウィーン迷惑行為、渋谷区の対策とは? アンチを味方にして、市場を育てていけるか

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今年も渋谷店では、最も目立つ1階店舗入り口から店内奥深くまで仮装グッズを所狭しと陳列。特に女性客は「他人とかぶりたくない」というニーズが強いことから、年初から動き始めて1000種類以上のアイテムを取りそろえた。ピーク時のハロウィーン直前には1日で1万人超が来店。今年の売れ筋はピカチュウやマリオなどのコスチュームだったようだ。

さらに今年初の試みとして、渋谷店の近くのビル2フロアを使い、10月21~31日の期間限定店舗をオープン。仮装グッズの販売やお化け屋敷の運営などビジネスを展開しつつ、渋谷区役所の協力要請を受けて不足する更衣室やトイレなども提供した。

このように企業側が街の秩序形成のために自治体とタッグを組むのは、一部の度を越した騒ぎに不愉快な思いを抱いている人が少なからずいるからだ。

ビルのすき間から異臭

「ばか騒ぎするな、道路が混雑して迷惑だ」。昨年のハロウィーンでは、こうした苦情が渋谷区役所に30件以上寄せられた。

駅の多目的トイレなどを仮装のための着替え場所として使用する人が後を絶たず、本来の目的で訪れた人は使用できない状態になった。翌朝の街は、ビルのすき間から尿の異臭が立ちこめたという。

またポイ捨てによりゴミが街中に散乱。翌朝のゴミの量は回収できたものだけで可燃ゴミが1トン超、PETボトルも100キログラムに達した。渋谷区も仮設トイレなどを用意していたが、想定を超えた事態に対応は後手に回った。

そこで今年は昨年以上に対策を強化。警視庁は数百人規模の警官を配置し、人出が多くなる時間帯に道玄坂とBunkamura通りの一部の区間を歩行者天国とする異例の交通規制を敷いた。

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