現地ルポ!ヒラリーを支持する人々のホンネ 投票直前に女性有権者が語るそれぞれの想い

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電子メールの私用サーバーの件で、FBIの捜査が入るぐらいだから、ヒラリーがソーシャルメディアに疎いことは、承知のうえでの質問だ。

バーニー支持者だったというふたりだが、クリントン候補に実際に会って直に話してみると、思ったより、若い世代への理解がありそうだという感覚を持ったという。

さらに、同じデジタル・クリエーターでも選挙権を行使して10年以上経つ30代となると見方もぐっと違ってくる。

ユーチューバーのアンバー。デジタル世代のオピニオンリーダーでもある

アンバー・ウィッティングトン(30歳)はユーチューバーとして50万人以上のファンを持ち、ライフスタイル、ファッションなどのコンテンツの「アンバーズ・クローゼット」というチャンネルを持つ。彼女はユーチューバーとして生計を立てている。

タウンホール会議の終わりには、ヒラリーと一緒にセルフィーを撮影した彼女だが、これまでずっと支持してきたのはバーニー・サンダースだった。

彼女の関心事のひとつが、友人達の負債額の多さだ。

「私はたまたまバスケットボールの奨学金で学費免除だったけど、大学の学費のために、30代の今、多額の借金を抱えて苦しんでいる友人たちがものすごく多い。だから公立大学の授業料の無料化を本気で訴えたバーニーを心から応援してきた」

トランプの差別主義に我慢ができないという彼女は、クリントンに投票するつもりだが、彼女がどこまで社会的に虐げられている人々を助ける政策を実行するのか、しっかり監視するつもりだという。

「ブッシュ時代にイラク戦争に突入したようなことを二度と繰り返してもらっては困るし、バーニーが必死でプッシュしている政策をどこまで取り入れるのか。そこらへんを見極めて、私のヒラリーへの意見は、ユーチューブではっきり言わせてもらう」

LGBTコミュニティのメンバーでもある彼女。同性愛者であることをユーチューブ上でも公表し、人権活動のツールとしてもユーチューブを使いこなす。

他国には当たり前に女性の首相や大統領がいる時代

多くのフォロワーを持つミレニアルズたちは、70代のプロッサーたちと違い、ダイレクトに世界中に自分の意見を伝える手段を10代の若いうちから手にしている。

さらに「女性だからヒラリーを支持する」という声も彼らからはそれほど聞こえてこない。

プロッサーは「自分が生きている間に女性大統領が誕生するなんて言われても、昔は信じられなかった。私たちと同じ70代の女性でも『醜いフェミニスト』と思われたくなくて、トランプに投票するという女性も多いから」と言う。

一方、ミレニアルズたちは、女性の首相や大統領が他国には当たり前にいる時代に育った。

プロッサーたちのような、60代~70代女性の票を集めつつも「女性大統領誕生」に涙することがない、若いミレニアルズ世代の票を、いかにクリントン陣営がゲットできるのか。

そこが鍵になりそうだ。

長野 美穂 ジャーナリスト

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ながの みほ / Miho Nagano

米インベスターズ・ビジネス・デイリー紙記者として5年間勤務し、自動車、バイオテクノロジー、製薬業界などを担当した後に独立。ミシガン州の地元新聞社に勤務した経験もある。

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