現地ルポ!ヒラリーを支持する人々のホンネ 投票直前に女性有権者が語るそれぞれの想い

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だが、クリントン夫妻は、長年、同性婚に反対の立場を表明していた。1996年に「結婚は男女間に限る」という法律にサインしたのはビル・クリントンだ。

同性婚反対の立場を貫き、国務長官を退いた後、2013年にやっと同性婚支持を公言したヒラリーのスタンスに抵抗はなかったのだろうか?

「人間味がない」というヒラリー批判も

バーニー・サンダースの支持者であるマーク・ハミルトンは言う。「同性婚のような人権の根幹にかかわる問題で、反対から賛成に意見を替えるような人間を、はたして信頼できるのだろうか、と思うね」。

多くの若いサンダーズ支持者が、同性婚を支持しなかった年月が長いクリントンを応援できないと語る。

だが、長年LGBTコミュニティの権利のために闘ってきたプロッサーには、ヒラリーの置かれてきた環境は「理解できる」という。

「アーカンソーという保守的な土地で、夫の政治キャリアをサポートしてきた彼女の周囲には、恐らくゲイであることを公言する人間がほとんどいなかったと思う。接したことがなければ理解もできない。誰もが人間として進化する。だから、人によっては進化の速度は遅くても、それをじっくり待つしかないし、大局的なゴールを見ていく方が大事」。バーニー支持者やトランプ支持者が糾弾してきたクリントン夫妻とウォール街の金融機関との蜜月の関係に対しても、プロッサーは理解を示す。

「ゴールドマンサックスがヒラリーに講演の報酬としていくら払おうと、あくまでスピーチの報酬なのだから、ヒラリーは受け取る権利がある。歴代大統領も、退任後はみんなスピーチで稼いできた。合法である以上、需要と供給で値段の額が変わるだけ。確かにイメージ的には良くないけど」

トランプが「うそつきヒラリー」「犯罪者ヒラリー」などのキャッチーな呼び名を次々生み出しメディアで流す中、「冷たくて、計算ずくで、人間味がない」というヒラリー批判も有権者の中に根強くある。

「Likability」――好感度、親しみやすさを意味するこの言葉は、ヒラリーを語る際に避けて通れない。

女性支持者にターゲットを絞ったヒラリーの集会で

「女性大統領」という言葉を普段それほど前面に出さないクリントン陣営だが、女性支持者の多さを売りにするキャンペーンは絶え間なく行われてきた。

カリフォルニア州のロサンゼルス郊外で行われたイベントでは、女優や女性の政治家、地域の女性リーダーたちが20人ほど壇上に上がり、クリントン候補を褒めたたえたうえで、最後にヒラリーが登場するという演出がなされていた。

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