両親が低学歴なのは、ハンディキャップか？ 親は子に超されてナンボ

＜ミセス・パンプキンからのコメント＞

親の学歴が意味するもの

ある年の東大・京大生の父母の学歴などを調査した結果、半数が一流大学出で、半数が高収入家庭だったということです。親の経済力が子供の学力にいちばん影響するという記事をよく目にしますが、逆に言えば多くの東大生が高学歴でない家庭の子弟であり、また特別に裕福でもない環境で勉強してきた子弟だということにもなります。

この学生さんの指摘にあるとおり、親自身も納得のいかない人生であっても、そこから肯定的な面を見いだし、カラ威張りではなく、充分に努力した結果の人生だったと自負心を持った親でないと子供も悲しくなるし、親への尊敬心も芽生えないし、そこからは何も生まれないと自戒も込めて再認識しました。

一方、例は適切ではないかもしれませんが、神戸の少年A事件以来、大きな犯罪を犯した青少年の両親あるいは一方の親が、超一流大学の出だったのが話題になったのも、記憶に新しいところです。

これらの件でいつも思い出す光景は、王貞治現ソフトバンク球団会長です。

彼が国民栄誉賞第１号に選ばれて、試合の後、本塁ベース上で花束贈呈などの大セレモニーが延々と続いたときです。ダルビッシュがノーヒットノーランを達成してもこれほど記者や関係者が取り囲まないだろうと思われる100人近い人だかりの中心にいた王さんは、途中でその輪を潜り抜けて輪の外に静かに立っておられた彼のお父様を、輪の中心に招き入れ、彼が受け取った花束だったか記念品を、皆の前でそのお父様に渡されたのです。

お父様は何かを息子に語りかけます。王さんの、100人近い人たちを待たせていることも気をかけず、（騒がしくて聞き取れない）お父様の言葉を聞き取ろうと、耳を傾けて気長く懸命に聞く姿に私は感動しました。王さんも高卒、お父様は背の低いいかにもラーメン屋一筋に頑張ってきましたという、有名大学出のスマートな企業家とは程遠い印象の人でしたが、王さんのお父様に対する尊敬心あふれた行為に、お父様も王さんもとても立派な方だと感じなかった人はいなかったに違いありません。