静かに加速する中国人採用、その「光と影」

見せかけだけのダイバーシティ?

こうした問題を専門家はどう見ているのだろうか。高度人材や企業の人事労務問題などに詳しい法政大学経営大学院の藤村博之教授はこう語る。

日本企業で働く外国人の「3大クレーム」

「国内では市場規模が縮小する産業も多く、海外に出ていかざるを得ない日本企業はますます増えていくでしょう。日本企業が国際競争の中で戦っていくとき、いちばん重要なのはコストを下げることではなく、いかに製品そのものの競争力をつけるか。つまり、これまで以上に、その製品を生み出す人の“能力”に大きくかかわってきます。外国人の発想や価値観がモノづくりをしていくうえで競争力を高めていってくれる、という考え方が求められています」

「しかし、“素材”はすばらしくても、その人材をどう育て、どう磨いていくかのほうがずっと大事。プロ野球のドラフトでもそうですが、入団時に1位だった選手が5年後も生き残り、活躍しているとは限りません。日本企業が積極的に外国人を採用することはとてもよいことですが、組織として、もっと彼らを育成していく力を養っていくべきではないかと思います」

人事部で採用しても、育成するのは配属先の部署だ。しかし、人事部と配属先の上司との間で連携が取れておらず、上司は自分が何を求められているのか、本人がよく理解できていないケースもあるという。

私はもう一人、日本企業の外国人採用に詳しいグローバル人材戦略研究所の小平達也社長にも話を聞いてみた。小平社長は、日本企業で働く外国人の3大クレームを挙げる。

・自分の役割がわからない
・上司からのフィードバックがない
・自分のキャリアが見えない

小平社長は「採用は一時的なもので、入社してからの人生のほうがずっと長く、大事なのに、日本企業では外国人を育成していくマネジメント・プランができていないことが多いですね」と語る。

配属以降のことはノータッチ、という人事部も少なくないそうだが、確かに私が取材した企業でも、人事部の担当者は取材に応じたが、配属先での仕事のことなどに話が及ぶと、よくわからないのか、口ごもることもあった。

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