「憲法・靖国・増税」、参院選後の安倍政権 吉崎 達彦が読む、ちょっと先のマーケット

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(2) 8月15日には靖国神社に参拝しない

これまた保守派を切歯扼腕させるかもしれないが、ほぼ間違いあるまい。そもそも麻生副総理以下が大挙して春の例大祭に靖国参拝したのは、「8月15日は勘弁してやる」という裏メッセージのはずなのだ(あいにく、中・韓にはまったく通じていないようだが)。安倍外交の基本方針は、「改訂版・自由と繁栄の弧」である。政権発足以来の首脳会談を列挙してみれば、その狙いは自ずと浮かび上がってくる。

○安倍首相の主要な首脳会談と外遊
1月:ベトナム、タイ、インドネシア訪問
2月:日米首脳会談(ワシントン)~TPP参加表明
3月:モンゴル訪問
4月:日ロ首脳会談(モスクワ)~北方領土問題を再交渉へ
5月:サウジアラビア、UAE、トルコ歴訪、ミャンマー訪問
  日タイ、日シンガポール、日印首脳会談(東京)
6月:第5回TICAD会議(横浜)~アフリカ首脳とまとめて会談
  ポーランド訪問~4か国定例会議に出席(チェコ、スロバキア、ハンガリー)
  G8サミットに参加(英・ロックアーン)~「成長戦略」を公約

問題は、中国の動向

厄介な相手である中国と韓国は避けながら、価値観を共有できる国を総ざらいにしている。相手先として抜け落ちているのは、オーストラリアくらい。というのは、同国は9月に総選挙を控えていて、政権交代の確率が高いからである。

首相就任後の半年間で、これだけ精力的に「顔合わせ」をしておけば、いくら「歴史認識攻撃」や「円安反対攻撃」を仕掛けられても、日本が外交的に孤立することは考えにくい。あとは中・韓が折れてくるのを静かに待つ。つまり「ドアは開けてある」と繰り返しつつ、こちらからは踏み出さない。とりあえず日中首脳会談が成立すれば、韓国の方はオマケでついてくるだろうから、問題は中国の習近平国家主席の動向である。

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