LGBTへの無策は企業にとって大きな損? 1000人アンケートから見えたもの

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柳沢:村木さん、こんにちは。まずぜひ村木さんのご紹介をお願いします。

村木:こんにちは。私はLGBTと職場の問題に関して、企業向けの研修などを行っているグループ「虹色ダイバーシティ」の代表をしています。大学卒業後、日系大手製造業、外資系コンサルティング会社などで働くうちに、職場の中で、女性かつ同性愛者という2重のマイノリティ性を意識するようになりました。2012年に虹色ダイバーシティを設立し、LGBTが働きやすい職場をつくるために活動をしています。

東京レインボーウィークで見えてきたもの

柳沢:ありがとうございます。それでは今回のイベントに関して教えてください。

村木:LGBTが職場の中でさまざまなストレスを受けていて、そのために仕事の生産性が落ちているとは言われていますが、今までは海外のデータしかありませんでした。そこで虹色ダイバーシティが当事者向けにウェブでアンケート調査を行い、1000人規模のデータを集めました。その集計結果を発表したのが、今回の東京レインボーウィークの中のトークイベント、“LGBTが働きやすい職場とは〜アンケートから見えてきた現状〜”です。

柳沢:連休中にもかかわらず、会場は100人近い参加者で満員となったんですよね。

村木:はい、マスコミの取材も入り、人事担当者の方、当事者などが参加し、熱気にあふれた会になりました。このイベントは予約者で満席になってしまったため、急遽、6月5日にもイベントを開催します(詳細は虹色ダイバーシティ ホームページをご覧ください)。

柳沢:すごいですね。今回のアンケートの結果を教えてください。

村木:このアンケートからは、約半数のLGBT当事者が職場の中で差別的な言動を受けることを経験されていて、やはりそういった差別的な言動を受けて、ストレスを感じたり、職場での人間関係に悪影響があると当事者が感じているということがわかりました。」

柳沢:やはり、みんなそうなんですね。

村木:はい、そして職場のLGBT対応を推進することで、周囲の差別的な言動が減り、カミングアウトできる人が増えると、やりがいを感じる当事者も増え、仕事の生産性がアップするであろうことが示唆されました。これは、LGBT対応に二の足を踏んでいる多くの日本企業に対して、その背中を押すデータになりうると思っています。日本にもLGBTと職場の問題が確かに存在し、何らかの対応が必要なのだというメッセージだと思います。

柳沢:なるほど、今まで感覚的に当事者が共有してきたことが、わかってきた感じですね。それでは以下、詳細にアンケート結果を村木さんに教えていただきたいと思います。」

では早速アンケートの結果を公表したいと思います。

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