「身分不相応な婚活」からは撤退するべきだ 東京カレンダー「新・婚活事情」<12>
物心ついたときから、私は、可愛い女の子が大好きでした。
ほら、小学校や中学校の時、クラスに一人はいませんでしたか?本人は地味な顔をしているのに、クラス一の可愛い子に、金魚のフンみたいにくっついている女の子。それが、まさに私です。
自分自身の顔が、薄くて地味で、人目を惹かないことは、幼い頃から分かっていました。だから、私にとっては、「自分の目に映る美しいもの」が重要だったんです。
私はただ、可愛い子たちを近くで見ているのが好きだった。勉強する、運動する、歌を歌う。可愛い子は、何をしても絵になる。惚れ惚れする。女の子って、もともとお人形遊びなんかが好きな生き物じゃないですか。たぶん、その延長のような感覚でしょう。
しかし、思春期になると、そんな私の純粋な性癖が「お得」であることが、段々と分かってきました。可愛い子と一緒にいると、自分まで割増で可愛く見えるようなのです。要は、可愛い子とくっついていれば、彼女たちからおこぼれが貰えるという事ですね。
可愛い子と一緒にいると、可愛く見える
「美人が得」というのは、本当です。本人たちは、それが普通過ぎて気づいていないかも知れませんが、彼女たちは明らかに世界から優遇され、甘やかされて育つ。
でも、可愛い子たちにくっついていれば、私も多少なりとも、その恩恵に授かれるんです。彼女たちに変な害を及ぼさない限り。
高校は、都内でも可愛い子が多いと評判の、お嬢様校に進みました。その中でも、学年で1番可愛いレベルの女の子たちと仲良くしていたおかげで、有名私大付属校の目立つグループの男の子たちと仲良くなり、すんなりと彼氏ができた。女子大生時代も、有名なインカレサークルに所属し、少々派手な、充実した学生生活を送ることができました。
仲良しグループの女の子たちは、皆私より可愛かったけど、私は無駄な嫉妬心なんかを持つことはありませんでした。
多少意地悪でも我儘でも、綺麗な顔をした女の子たちは可愛く思えたし、一緒にいて楽しい思いも沢山できる。変に対抗心を持ってしまえば、自然とグループから排除されてしまうし、美人への妬みほど醜いものはない。私はただ、その「現実」を理解していたんです。綺麗なCAのワンランク下で働く「空港のグランドスタッフ」という職業も、私らしいと思いませんか?
社会人になり、婚活というものを意識し始めた頃も、私は相変わらず、可愛い女の子達とつるんでいました。CAはもちろん、大企業の秘書室や外資金融、ブランドのPRなど、華やかな業界で活躍する彼女たち。
美しい彼女たちが結婚相手を探すときは、当然のように、ハイスペックなA~Sランク男性に的を絞ります。経営者、御曹司、医者、外資系エリート、商社マン……。