森永製菓の「甘酒」が女性にバカ売れするワケ ブーム到来で百花繚乱、市場は100億円超え

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
1カ所のスーパーで、これだけ多くの甘酒が売られている(記者撮影)

「甘酒しょうが」「甘酒豆乳ブレンド」「門前甘酒」――。10月6日にオープンしたばかりの食品館イトーヨーカドー ららぽーと湘南平塚店の飲料品売り場には、迷ってしまうほどたくさんの種類の甘酒が並んでいる。

数えてみると、メーカーにして8社、品目は15に上る。売り場近くの店員に聞くと、「健康志向の女性客を中心に、よく売れている」と言う。

今、甘酒が女性を中心に大ブームとなっている。市場調査会社インテージによれば、直近1年間(2015年10月~2016年9月)の市場規模は117億円。野菜ジュースの1400億円や、スポーツドリンクの2440億円(伊藤園調べ)と比べるとまだまだ小さいが、この4年間で3倍近くに拡大した。

甘酒には大きく2種類ある。コメと米麹を発酵させて作るものと、酒かすをお湯で溶かし砂糖などを加えて作るもので、後者には少量のアルコールを含むものもある。いずれもビタミンやブドウ糖、アミノ酸などを摂取できるため、「飲む点滴」と呼ばれる。

もともとは温めて、正月など冬場に飲まれることが多かったが、2011年頃から夏場でも人気が出始めた。甘酒は発汗で失われる水分や塩分、エネルギー源になる糖分を手軽に補給できる。東日本大震災後に節電の動きが広まると、夏バテや熱中症対策として注目を集めたのだ。

実は甘酒市場でシェア3割以上を握り、最大手に君臨するのが菓子大手の森永製菓だ。1969年に瓶入りの甘酒を投入、1974年から缶入りの甘酒を販売している。同社の甘酒は米麹と酒かすをブレンドしており「『酒かす』の深いコクと『米麹』のやさしい甘みに特徴がある」(会社側)という。

さらにブームを拡大させたのが、森永製菓が東京工科大学の教授と行った共同研究の成果だ。2015年5月に、ブレンド甘酒を飲むと目の下のクマの明度が高まるという研究成果を発表、続けて2016年5月にはニキビなどの原因となる皮脂を減らす効果もあると公表している。

次ページブームはいつまで続くのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事