伊藤園、42年ぶりに緑茶工場を新設する理由 "独り勝ち"状況が一服した今、あえて新工場

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「伊藤園=健康というイメージが根付いてきている」。6月3日の決算説明会でこう語った本庄大介・伊藤園社長。42年ぶりの新工場を建設し、攻めの経営を加速する(記者撮影)

「お~いお茶」で知られる飲料メーカーの伊藤園が、緑茶用の茶葉を加工する工場を42年ぶりに新設する。

世界で初めてペットボトル入りの緑茶を発売した伊藤園。緑茶飲料の国内トップメーカーとして市場を牽引してきた。このタイミングで工場新設に踏み切ったのはナゼか。

茶葉の加工をする工場は1カ所のみだった

伊藤園は飲料製品の大部分を、グループ外の委託工場で製造する「ファブレス」方式をとっている。設備投資や物流費の削減が目的だ。


静岡県の相良工場。伊藤園で唯一の茶葉加工工場だ

ただし、緑茶飲料の味・品質の決め手となる原料茶葉の仕上げ加工は自社で行う。

生の茶葉をある程度乾燥させた「荒茶」を調達し、選別。それぞれの製品ごとの味や香りを出すために、「火入れ」を行ってさらに乾燥させ、ブレンドし、飲料原料として仕上げる。

こうした加工を担う拠点はこれまで静岡県の相良工場のみだった。相良工場は海に近く、津波などの災害時に原料の供給が滞るリスクがあった。新工場を神戸市内に設けることで、リスクの分散を図る。

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