東大を3度落ちた男が辿り着いたカフェ経営 映画や穀物栽培など手がける人気店の裏側
映画の制作・配給、ラジオ配信、舞台、畑での穀物栽培……。 これらはすべて渋谷、三軒茶屋の人気カフェ『カフエ マメヒコ』での取り組み。こうした“多様な”活動の背景には、経営を続けていくための哲学がありました。次への活動の“種”を蒔き続けた、代表井川啓央さんの“カフェ以前”の原点から、『カフエ マメヒコ』誕生までをインタビュー。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けします。
カフエ マメヒコの「種」を蒔く
――先日、映画(※マメヒコピクチャーズ制作の「ゲーテ診療所」)を観てきました。
井川啓央氏(以下、井川氏):なぜカフェを経営するぼくが映画を撮っているのか、ラジオや舞台、畑で穀物栽培を手がけているのか、これはぼくの人生すべてに言えることなのですが、クリエイティビティというよりは、必要に迫られてやってきた結果です。ある種の焦燥感のようなものが原動力となっています。
やっていることは一見バラバラに見えますが、自分の中では関連性があって、「すぐに役立つかはわからないけれど、大切にしたいこと」というマメヒコの哲学を発信していて、共感してくれる仲間探しでもあります。
よく「こだわりがあるんですね、すごいですね」なんて褒めて頂きますが、なんだか恥ずかしくて……。
普通なら部署ごとに仕事があるわけですが、人事部、総務部、営業部など、意思決定から実際の活動まで、自分に発注して自分でやっているのは、単純に分業できるほど事業規模がないから、やむにやまれぬ事情があるんです(笑)。
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