女優がスプラッシュ! 中国の人気番組
グローバル化する中国の番組コンテンツ

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日本の製品は、高い品質を誇りながら、中国マーケットにうまく食い込めていない。その最大の理由は、ブランド戦略の甘さにある。この連載では、北京電通に7年駐在し、グローバル企業のブランド戦略のコンサルティングを手掛ける著者が、中国人の心を掴むためのブランド創りを解説。教科書的なブランド論ではなく、ビジネスの現場で起きている事実をベースに、実践的なブランド戦略を発信する。
(写真:ロイター/アフロ)

 超人気!「飛び込み競技」のリアリティ・ショー

日本にいてはお目にかかれないものに出くわすのが、外国暮らしのだいご味です。4月から始まったテレビ番組で今中国人の話題になっているのが、歌手や俳優が本格的な飛び込み競技に挑戦する番組です。オリンピックの正式種目である、高さ3メートルの「飛び板飛び込み」や10メートルの「高飛び込み」を素人にやらせるという、危険かつ意味のよくわからない番組が人気になっているのです。しかも面白いことに2つのテレビ局が同じ企画で同時にオンエアを開始しています。

ひとつが浙江衛星テレビによる「中国星跳跃(Celebrity Splash)」。人気スターたちが、アテネとシドニー五輪で金メダルを獲得したスター選手、田亮(ティエン・リャン)の指導の下、トレーニングを積んだうえで、本物の水泳会場に観客を入れて飛び込みを実演し、審判員の採点に基づいて勝ち抜いていくという内容です

スターたちが素の自分に戻って、まったく専門外の分野にチャレンジする様子をドキュメンタリー風に追いかけ、最後に会場で練習の成果を披露するまでを活写します。素人のど自慢などと同じく「リアリティ・ショー」と呼ばれるタイプの番組です。

もうひとつは江苏(江蘇)テレビの「星跳水立方(Stars in Danger)」。こちらは北京オリンピックの水泳競技会場「水立方」が舞台で、ダイビング競技未経験の人気歌手や女優が1カ月の特訓を経て飛び込みを披露し、優劣を競うもので、ほぼ同じ内容です。

さらに面白いことに、前者はオランダのリアリティ・ショー番組「Celebrity Splash」の版権(番組フォーマット)を購入して制作しているのに対し、後者がドイツのテレビ番組「Stars in Danger: High Diving」のフォーマットで制作されていることです。そもそもこんな番組がヨーロッパで人気を呼んでいたことが驚きですが、同じ時期に中国のライバル局同士がその中国版をオンエアするというのですから、なかなか複雑です。実際、ネット上ではドイツとオランダのどちらが本家なのか、また中国のテレビ局のどちらがどちらの企画をまねたのか、など論争がかまびすしい状況です。

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