人気リアリティ・ショーが目白押し
その後、オーディション形式のリアリティ・ショーが全盛となりました。制作テレビ局は湖南、江蘇、浙江、東方などの各局に集中し、欧米と韓国から番組フォーマット使用権を購入しているのが目立ちます。有名な番組をいくつか紹介します。
■2010年~「非诚勿扰(本気以外お断り、の意)」
江蘇衛星テレビ。乱立する婚活系お見合い番組の元祖。男性1人に対して女性24人が参加するが、実際は女性側の選択権がかなり強いのが面白い。
■2010年~「中国达人秀(China’s Got Talent)」
上海・東方衛星テレビ。その名のとおり、イギリスの「Britain’s Got Talent」のフォーマットを活用した番組。伝統芸能、ダンス、歌唱、演奏、雑技、マジックなどアマチュアが玄人はだしの芸を見せるもの。
■2012年~「中国好声音(The Voice of China)」
浙江衛星テレビ。オランダの「The Voice of Holland」のフォーマットを買ってリメイクした人気番組。参加者は、4人の審査員の誰かから合格をもらうと、後日その審査員から直接指導を受けて技能を磨き、決勝戦に臨む。次回シリーズからレノボがスポンサーとなる。
■2013年「我是歌手(I am a Singer)」
湖南衛星テレビ。プロ歌手によるプライドを懸けたオーディション番組。韓国MBCの協力を得ている。4月12日オンエアの決勝戦は視聴率4.1%をたたき出した(中国はチャンネル数が膨大なのでこの数字は特筆もの)。
■2013年~「中国最强音(The X Factor)」
湖南衛星テレビ。イギリスのオーディション番組の中国版。審査員に陈奕迅(イーソン・チャン)や章子怡(チャン・ツィイー)を起用している。番組提供は蒙牛。
■2013年~「中国梦之声(Chinese Idol)」
上海・東方衛星テレビ。「American Idol」のフォーマットで制作。
■2013年~「我的中国星(Superstar China)」
「我是歌手」に対抗して、湖北衛星テレビが6000万元を投じて制作。6月30日スタートだが、すでに予告編CFで話題となっている。韓国の「Superstar K」のフォーマットと制作ノウハウを導入。提供は白モノ家電大手の「美的」。
日本からの番組輸出は現在あまり見られませんが、1994年から2007年まで、TBSの「わくわく動物ランド」が「东芝动物乐园(東芝動物楽園)」として北京テレビで制作・放送されて人気を博していました。
放送や広告のメディアは、伝統的マスメディアからインターネットやパーソナルなデジタルメディアへと急激にシフトしていますが、マーケティングやブランド構築に重要なのが、良質なコンテンツの力であることは不変です。番組制作にグローバルなノウハウを貪欲に採り入れる中国のテレビ局も生き残りに必死なのです。
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