日本株は日銀新政策で「30%上昇」もありえる 円高株安予想の「悲観論者」敗北は目前だ

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株式や住宅不動産などのリスク資産への資金誘導は、中央銀行の非伝統的金融政策(量的金融緩和やマイナス金利など)の目指すところであり、今回の日銀の「イールドカーブターゲティング政策」(=長短金利の制御政策)も、資産価格上昇への影響力があるかないかで評価しなければならない。

日銀による株式市場への影響力行使を官製相場と批判する声が大きいが、今異常なリスク忌避姿勢にとらわれ、正常な価格形成機能を失っているのは民間のほうであること、日銀の新政策はそれを是正しようとしているのだということを忘れてはいけない。少なくとも、日銀が長期金利さらには株価に影響力を行使する決意を見せている以上、それに対抗する投資ポジションは、成功しない。

今回の長期金利を0%にくぎ付けする日銀の政策は、一気にリスクテイクを促進する契機になるかもしれない。

そもそも、2013年以降雇用者数は増加、労働需給はタイト化し、ようやく賃金上昇が定着し始めている。原油価格の下落により一時的にマイナスとなったCPIが、2017年には1%程度まで回復することもほぼ見えている。28兆円の財政出動、中国経済の小康状態化、商品市況の底入れ、世界貿易の底入れと緩慢な回復、米国経済の堅調、等の環境の下で、日本の実質GDPの1%程度までの回復はエコノミストのコンセンサス(ESPフォーキャストでは0.9%)となっている。

株高が一段の円安要因を招く可能性

昨年の企業統治改革(コーポレートガバナンスコード、スチュワードシップコード)に続き、安倍内閣での下では、働き方改革、緩慢ながら外国人労働者の受け入れ、今国会では見送りとなりそうだが配偶者控除の廃止方向と伝えられるなど、税制改革等成長政策も徐々に進展している。

円高による企業収益悪化も一巡となれば、株式市場に大きな追い風が吹く公算は大きい。まして日本株式はアベノミクス失敗、ないしは頓挫と見た外国人によって一時極端な売られ方をしており、需給(裁定買い残の歴史的低下)は大きく改善しているのである。また日本株式のバリュエーション(価値評価)も極端に安くなっている。

さらに為替市場では今のところ円高論者が多数派であるが、円高論者の多くが日本株に悲観的な見方をしている。しかし仮に日本株高が始まれば、それがリスクオンの円安要因となる可能性が考慮されていないことを強調しておきたい。

武者 陵司 武者リサーチ 代表

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むしゃ りょうじ / Ryouji Musha

横浜国立大学経済学部卒業後、大和証券に入社。1988年大和総研アメリカでチーフアナリストとして米国のマクロ・ミクロ市場を調査。1997年ドイツ証券調査部長兼チーフストラテジスト2005年ドイツ証券副会長を経て、2009年 株式会社武者リサーチを設立。日経電子版(カリスマの直言)、WILL、Voice、日経産業新聞(眼光紙背)、四国新聞社、月刊資本市場、投資経済等の紙誌にレポートやコラムを寄稿。テレビ朝日、BS11、日経CNBC、BS東京モーニングプラス、BSフジプライムニュース、ストックボイス、日経ラジオ、文化放送等にコメンテーターとして出演。

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