QE3は縮小方向、問われる金利上昇抑制 5月FOMCではQE3運営の裁量の幅を広げたが…

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とりわけイエレン副議長が、コミュニケーション政策の旗振り役であることは極めて心強い。バーナンキ議長は来年1月末に任期切れを迎え、退任の噂が燻る。今年のジャクソンホール会合を欠席することも、うがった見方をすれば退任を匂わせる動きだ。仮にそうなったとしても、イエレン副議長が議長に昇格するなら、従来の丁寧なコミュニケーション政策が継続されるという安心感がある。

しかし同時に、イエレン副議長が主張してきた超低金利政策の長期継続というプランには、「いったん利上げが開始された場合には、通常のペースよりも早いペースで利上げする」というシナリオが隠されていることにも注意が必要だ。イエレン副議長は決して「永遠の緩和支持派」ではないのである。

小野 亮 みずほリサーチ&テクノロジーズ プリンシパル

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おの まこと / Makoto Ono

1990年東京大学工学部卒、富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。1998年10月から2003年2月までニューヨーク事務所駐在。帰国後、経済調査部。2008年4月から市場調査部で米国経済・金融政策を担当後、欧米経済・金融総括。2021年4月より調査部プリンシパル。FRB(米国連邦準備制度理事会)ウォッチャーとして知られる。

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