日本株、「暗黒の1987年」との共通点と相違点 ハンパない海外投資家の売り越しは終了?
さて最後になったが、日本株だ。10月に入って、日本株の堅調さが目立つ。10月11日の日経平均は1万7024円(前日比164円高)と反発。前日の欧米株高や原油高のほか、年内の米利上げの高まりから、為替市場でドル円が一時104円台と円安方向へ振れたことも輸出関連株中心に買いが入る要因となり、相場全体を押し上げた。
薄商い継続なら日経平均は1万8000円手前で失速も
日銀による従来型ETFの買い入れ額は8月が約3500億円、9月が約8000億円と倍増している。しかし、10月に入って日銀買いは一服しているが、日本株は戻りを強めている。長期投資家の売買コストとされる200日線(約1万6700円)、株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)の算出値(1万7011円)を、ここへ来て次々と上回ってきた。売り方の損失限定にともなう買い戻しが押し上げているもようだ。
しかし、10月以降の東証1部売買代金は連日2兆円を下回っている。この薄商いが続いた場合は、相場を大きく上げるには力不足で、2月高値や4月高値のある1万7500~1万7800円が戻りメドとして意識されそうだ。
今後はどうなるだろうか。当面のスケジュールとして、14~15日にAPEC財務相会合、15~16日にBRICSサミット、19日に第3回米大統領候補者討論会や中国7-9月期GDPに注目が集まる。
とはいえ、やはり最大の焦点は10月ではなく、11月8日の米大統領選だ。足元では共和党のトランプ氏の度重なる失言で党内の亀裂が深まっており、敵失で、民主党のクリントン氏の支持率が優勢となっている格好だ。
ただ、米政治・経済の先行き不透明感につながる「トランプリスク」はいったん後退したとはいえ、市場参加者にとってはトランプだけに「神経衰弱をさせる」ような展開が今後も続きそうだ。
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