これらのテーマを実現させるために重要なことは「不退転の覚悟」だ。経済は生き物だから日本が自信を取り戻すことが大切だ。今後の理想的なシナリオはこうだ。輸出企業の利益増加はまず確実だろうが、「雇用拡大・所得増加」が必須条件である。「消費拡大・インフレ期待の高まり」が出てきたら、いよいよ(インフレ率2%へ向けて)物価上昇の出番だ。その結果、「内需産業の利益増加」を経て「本格的な景気回復」へのシナリオが実現するという格好である。日本はどの世界の国々と比べても豊かなことは事実であるから、「将来への不安」を払拭して、成功体験を積み重ねて行けばよいのだ。
ベストな土地の有効利用策は何か
冷え切っていた物価が回復すると、やがて、地価も徐々に上昇することが予想される。今こそ、大底で土地の手当てをするときが到来したと考えるべきだ。ただしその土地を有効に利用する手段がなければ意味がない。そんなわけで、まず、原点に戻って土地の有効利用について考えてみたい。
土地を持っていれば、有効利用として誰でもまず考えるのはアパートやワンルームマンションへの投資だ。賃貸住宅経営は、土地活用ではベストプランといえるかもしれない。毎月安定した収入が長期にわたって得られるし、節税効果が期待できる。相続税対策に有効であり、資産の目減り対策にも有効である。場所を間違えなければ、比較的安定した需要があるし、管理会社にアパート経営を委託すれば専門知識は不要で、建託会社によっては家賃保証などのサポート体制もある。
デメリットもある。昨今のアパート経営は競争が激しく、空室のリスクが高い。初期投資額も高く相続時に分割しにくく、隣人の住人からの苦情対応などを管理会社に委託すれば費用もかかる。建物の小まめな修繕も必要だし、そこそこの利益を上げるには規模の大きな土地が必要となる。アパート経営は少子高齢化を考えると、昔ほどのメリットはなくなってきた。
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