トンビは鷹どころか、コンドルを産める 幼少期に“知的充足感の喜び”を教えよう

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<以下、東大医学部大学院博士課程Kさんの寄稿文>

関心を深堀りする姿勢と、知的充足感を教えてあげよう

両親はつねに知的好奇心を持たせてくれました。幼少の頃から、生物、化学、歴史、文学といったさまざまな分野にわたる話を、その時々の私の年齢に合った言葉で親から話してもらいました。そして、その中から私が特に興味を持ったことに対しては,本を薦めてくれたり、その話に関して語り合う相手になってくれたりと、知的好奇心をつねに持たせてくれる教育を受けました。

ただ、父親が自分の出身高校や大学に進学することに固執し、私が自主的に進学したい学校を考えようとしなくなってしまった点に関しては、よくなかったのではないかと今になって多少疑問に思います。

子育てに重要なことは、子供に知的充足感が得られることの喜びを教えることだと思います。知的充足感を得るためには、しばしば困難が立ちはだかります。しかし、知的充足感を得たときの達成感を伝えることができれば、困難なことが立ちはだかってもそれを乗り越えようと努力する姿勢はおのずからついてくるものだと思います。

関心のあることを深く追求していく姿勢を育て、そのための環境を整えてあげることが優秀な子供を育てるための秘訣だと感じています。

<以下、グローバルエリートからのコメント>

子供の個性に応じた好奇心の刺激方法を探るべし

私の親は童話を本当によく聞かせてくれた。ただ単なる童話ではなく、登場人物を私に勝手に替えて、勝手に作り話を即興で作ってもらったのだが、それが非常に面白かった。今でも覚えているのは、“本嫌い君”や“湖の金の鯉”の話などだ。和室のせんべい布団にくるまりながらクーラーに涼みつつ弟と一緒に聴いたものだが、幼少期の私の好奇心を刺激する上で大変よかった。

ほかに話されることと言えば、父親からの“世界の動物”の話などが多かった。科学や文学に関しては皆無で、家族の話は動物や金魚の話題が多かったのだが、それは私が“動物の話”や“魚の話”にしか断固、興味を示さなかったからだ。

他にも、わが家は勉強やる気の無い私にやる気を起こさせるよう、様々な試みがなされた。例えば「塾で1番になったら1万円、全国模試5番以内で5万円」などの方法で間接的に知的好奇心を刺激し、私を“やる気”にさせてくれたのには感謝している。

私が放っておいても自主的に頑張る立派な子供ではなかったため、私の困った個性に応じて柔軟な“刺激方法”を考えてくれたのだ。

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