(第4回)利益を生むコンバージェンスのための7原則(後編)

「未来に備えよ 敵を知れ」より転載

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 たしかに、TMT業界の垣根が曖昧化し、業界を超えて同じ顧客をターゲットとした競争が始まっていることも事実です(左図)。
 このため、業界を超えてM&Aを進める経営戦略の目的は理解できますが、それでも今後5年間は、一部の限られた例外を除き、技術系企業は、通信事業者や放送事業者と同じような企業にならないでしょう。またその逆も起こらないでしょう。しかし、これらの事業機会を利用して収益を上げている企業に共通の特徴は、2社以上の企業で「相互利益の精神」にもとづき事業を展開している点にあります。そして、業界を超えたM&Aよりも、このような新しい提携の展開や解消の方が新しい脅威です。報道によれば、通信業界のトップをして「(ワンセグ放送は)なかなか相思相愛というわけにはいかない」と言わしめています。こうした課題も、「事業化への発想がコンバージェンスの効果を最大化する」原則にもとづき、「コンバージェンスとダイバージェンスは共存できる」原則を使って、消費者に訴求するモデルを生み出し、「それに関わる当事者全員にメリットをもたらす」ことが実現できれば、ビジネスとして定着していくことでしょう。
 なお、このレポートの意見の部分は私見です。

トーマツの情報メディア通信サービス
池末成明(いけまつ・なりあき)
監査法人トーマツ TMT(情報・通信・メディア)グループ シニアマネージャー
E-mail tmt@tohmatsu.co.jp
URL http://www.tohmatsu.com/
妻、高校1年生の娘と千葉県我孫子市に在住。犬を飼えるよう妻と交渉中。
趣味は、音楽鑑賞(モーツアルト、バッハ、プッチーニ、レハール)、神社めぐり、家系調べ、読書。
昨年は、夢枕獏、キャサリン ネヴィル、ダン・ブラウンと娘の影響で「NANA」にはまる。
ナルニア国物語が映画になったことが嬉しい。小学校からのナルニア国物語のファン。
科学史と各国の古代史に関心。
【経歴】
1957年 東京生まれ
1980年 国際基督教大学 教養学部卒(物理学専攻)
1980年 富士通株式会社 海外事業本部にて中近東・南アジアの通信ビジネス担当を経て、パソコンビジネスの海外マーケティング担当
現在 監査法人トーマツ TMTグループで開発業務管理に従事
【著作】
「コンテンツビジネスマネジメント」(日本経済新聞社、共著)
「ビジネス環境および諸概念-米国公認会計士試験実戦問題集」(中央経済社、共著)
「米国公認会計士試験実戦問題集 ビジネスロー・税法」(中央経済社、共著)
「新・米国公認会計士試験重点解説シリーズ ビジネス・ロー」(清文社)
「米国公認会計士試験重点解説シリーズ ビジネス・ロー」(清文社)他
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