(第1回)コンバージェンスとは

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池末成明


通信と放送の融合

通信と放送の融合が話題になっています。「融合」は、「コンバージェンス(convergence)」の訳語で、技術の世界では異質の技術を結合させることをいいます。たとえば、メールや着メロ、通話を合体させた携帯電話はコンバージェンス型の製品です。コンバージェンスは、まったく別のビジネスを融合させ、新しいタイプの製品やサービス、提携、バリューチェーンを生み出します。たとえば、着メロは、音楽業界、コンテンツ配信会社、電話会社の提携による新しいバリューチェーン(※1)でのサービスです。今や、音楽や動画などのコンテンツのダウンロード配信も一般的な流通形態となり、トリプルプレイ(※2)やワンセグ放送(※3)も始まりました。これらも複数のサービスが融合したコンバージェンス型のサービスです。
欧米では、こうした動向が進むにつれ、テクノロジー、メディア、通信の三つの業界がTMT業界(Technology, Media and Telecommunications Sector)というひとつの業界に融合すると考えられてきました。この融合もコンバージェンスといいます。トーマツも2002年からTMTグループを立ち上げ活動しています。

日本のTMT業界

2003年、東京証券取引所は、従来の通信を情報・通信というセクターに拡張し、サービスやその他製品などに分類されていた上場企業が移動しました(2003年と2004年版の会社四季報4集・秋号で比較)。セクターでみると主にサービス業から移動しましたが、個別の業界をみると、放送、音楽、出版、インターネット、システムインテグレーターなどが情報通信業に移動しました(表1)。トーマツのTMTグループでは、この変更のあった2003年をTMTの流れと産業のコンバージェンスがわが国でも始まった年と位置づけています。

表1 情報通信業に移動した企業一覧(表のクリックで全件表示)

 

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