三井化学、人材グローバル化戦略の凄味 海外の優秀人材を本社の経営層に登用
インド工科大学からの参加は2010年度からスタートし、化学専攻の大学3年生、MBA在籍生が対象だ。2012年度は6名が、工場(1名)・研究所(2名)・事業部(3名)で6週間のインターンシップに参加した。
シンガポール国立大学と南洋理工大学からのインターンシップは2010年度にスタートし、化学、化学工学専攻の大学3年生が対象だ。2012年度は3名が工場で10週間のインターンシップに参加した。
インターンシップには渡航費、滞在費、日当などがかかるが、すべて三井化学が負担している。このインターンシップへの参加者から2009年度以降で6名が入社している。グローバル人材の採用に効果があったと思う。
海外からのインターンシップとは別に、シンガポール経済産業省(EDB)と相互人材育成プログラムで連携している。これはスカラーシッププログラムで、東京工業大学国際大学院プログラムに2年間派遣し、その間の学費と奨学金を三井化学が支給する。その後は最低3年間三井化学グループ内での勤務を義務付けている。
インターシッププログラムの参加者がスカラーシッププログラムへ応募するケースが多い。
海外駐在の前に3カ月間の語学漬け研修
――次に「若手社員の海外駐在」についてお聞かせください。
従来の海外駐在員の準備研修はシンプルなもので、赴任前に1日か2日間の研修を受けただけで送り出していた。後は現地スタッフと本人にまかせるというものだった。これを中期経営計画が始まった2011年度にあらため、期間を3カ月と長期化した本格的な研修にした。すぐに赴任する者だけでなく、1、2年のうちに赴任する予定の者、海外との接触が多い部署の者も参加する。
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