国会の二軍?それでも参院選が注目なワケ 歴代の総理大臣はゼロ。衆議院に比べ、存在感も超希薄
アメリカでは、各州から2人だけ選ばれ、州の代表者ともいえる上院議員のほうが、下院議員よりも立場が上であり、大統領への道でも上院議員のほうが近いといえます。オバマ、ニクソン、ケネディらは上院議員出身です。
日本では衆議院よりは厳密ではないとはいえ、「1票の格差」という基準が参議院にも適用されるため、都道府県ごとに選ばれる参議院議員の人数が異なり、都道府県の代表者という立場ではありません。
誰も総理が出ていない参議院
さらに、政治家の心理の面から考えてみると、衆議院議員と参議院議員とでは、総理大臣になれるか否かという差が大きいのです。憲法上は参議院議員でも総理大臣になれますが、総理大臣の指名は衆議院が優越している(憲法第67条2項)こともあり、参議院議員で総理大臣になった人は誰もいないのです。
また、大臣になれる人数も、参議院枠というのが昔よりは拡大してきたとはいえ、それでも衆議院枠と比べれば圧倒的に小さく、現在の安倍内閣で入閣している参議院議員はたった3人(衆議院議員は15人)です。
参議院には解散がなく、6年間は絶対に安泰であるいう非常に大きなメリットがあるにもかかわらず、国会議員になる以上は総理大臣を目指したいというのが政治家の性なのか、衆議院議員のほうがやはり人気なのです。ちなみに、「代議士」と呼ばれるのは衆議院議員だけであり、衆議院議員は「自分たちだけが真に国民を代表する存在だ」というプライドを持っています。
衆議院議員と参議院議員の関係は何かと難しく、それがいろいろな場面で現れます。一例を挙げると、私が現職だったときに入っていた一院制実現議連があります。正式名称は「超党派衆参対等統合一院制国会実現議員連盟」という非常に長いものです。
「長くてわかりにくいので、シンプルに一院制実現議員連盟にしたほうがよいのではないでしょうか?」という私の提案に対する先輩衆議院議員の答えは、「ただ単に一院制というと、参議院を廃止して衆議院だけにするというイメージがあり、それだと参議院議員の賛同が得られないから、あえて衆参対等統合という言葉を入れているのだよ」といったものでした。
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