愛知県人は”露骨”な広告がお好き? 少子化時代に塾で勝負する

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――学習塾を始めようと思ったのはなぜですか。

僕は10人兄弟の8番目として育ちました。姉が4人、兄が3人、弟が2人います。父は自営業で、書店やガソリンスタンド、宝石店など何でも手掛けて僕たちを養ってくれました。

大学進学で群馬から名古屋に出てきた際も親は仕送りしてくれましたが、さすがに経済的に無理があります。途中から仕送りを断り、家庭教師や塾講師の口を見つけて自活しました。教えたり説明したりするのが好きになったのはそれからです。プレゼンが講師口調なので、会社員時代もあだ名は「先生」でした。

自分で何かやるならばライフワークにできる仕事、好きで頑張り続けられる仕事がいいと思っていました。父の姿を見て育ち、自営業に資格は必要ないと肌で感じていたので、独立しやすかったのかもしれません。教えることが好きだったので、自然と塾経営に興味が向きました。

やっぱりインド人には勝てない?

――システムエンジニア時代の経験を生かそうとは思わなかったのですか。

会社員時代、仕事ができる人ほど「学校の勉強なんて社会では役立たない」「数学なんて必要ない」と言っていたのは気になっています。僕自身も受験戦争世代なので「(偏差値が)いい学校に入って、いい会社に入る」ことを刷り込まれてきました。「勉強する努力ができることが大事」なんて言われてね。そして、大学までに学んだ内容とはまったく関係のない仕事に就く。だからインド人に負けてしまうのです。数学と物理の素養がなければ複雑なアルゴリズムは組めません。例えば、グーグルの開発チームに入ることはできないでしょう。

僕のモットーは「学んだことは使え!」です。こじつけに聞こえるかもしれませんが、受験勉強はちょうどいい思考訓練になります。丸暗記では解けない問題が多く、学び覚えた知識を使いこなす工夫が求められるからです。

――個別指導学院ヒーローズ(本部・静岡県浜松市)のフランチャイズに加盟したんですよね。失礼ですが、その塾名を聞いたことがありません。僕たちの世代では、名古屋の塾といえば河合塾ですよ。

ヒーローズは僕も知りませんでした。確かに怪しいですよね(笑)。独立を検討していた頃、新聞広告を見てフランチャイズの合同説明会に参加しました。ほとんどの会社が必要資金や売り上げのシミュレーションを説明していましたが、僕にはピンと来なかった。収入は減ってもいいので、ライフワークになりうる仕事を探していたからです。

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