「就活に行き詰まった」4年生にお勧めの場所 東京しごとセンターや中小企業家同友会

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昔から中小企業は学生に認知されていないので採用に苦労してきた。大学の就職課を訪問しても相手にされないことが多い。そこで、同友会では採用において会員企業が協力して採用活動を行っている。

1970年代から合同企業説明会を実施

今でこそ就職サイトや自治体が開催する「合同企業説明会」(合説)は珍しくないが、同友会では「合同企業説明会」という言葉が珍しかった1970年代から開催している。「Jobway」を始めたのは2004年。

2015年度の登録企業数は1076社、登録学生数は1万4770人。2016年度は9月時点で1096社、1万0397人。景気が良くなると学生数が減って企業数が増える、景気が悪化すると学生数が増加して企業数が減少するという傾向がある。

地域や業種などを入れて検索すれば条件に合致した企業が出てくる。しかし、中小企業は業務内容がわかりにくいことが多いので、実際に企業と接触することが重要だ。中小企業家同友会は全国各地で合同企業説明会を開催しているので、就活生は積極的に参加するべきだろう。

また、地方での開催予定を詳細に掲載しているので、J・Uターン就職をしたい就活生にはとても便利だ。同友会の平田美穂・事務局長は「同友会の合説には安心の中小企業がそろっている」という。ブラック企業の存在について心配する必要はないということだ。

リクナビやマイナビといった就職サイトが主催する合説では出展企業同士のつき合いはないが、同友会の合説に参加している企業はすべて同友会の会員であり、会合や勉強会を通じてつき合いが深い。会員仲間の目があるので、新入社員を使い捨てにするような経営はしにくい。

また、会員企業に問題があれば同友会が指導することができる。就職サイト主催の合説では出展会社は主催者の顧客なので、個別に指導するのは難しい。

会員企業の社長同士が知り合いで、お互いの事業内容をよく知っているため、ブースに来た学生が自社よりも他社に向いていると判断すれば、他社のブースに行くように勧めることもあるという。他の合説では他社は採用におけるライバルなので、こんなことはあり得ない。就活生の立場に立った合説と言える。

総合人材サービスのアイデムの調査によれば、9月1日時点で74.2%の学生が就活を終了した。2017年卒の就活が終盤を迎えているのは間違いないが、まだまだチャンスはある。内定のない学生や内定を持っていても納得できていない学生は、東京しごとセンターや中小企業家同友会を活用してみてはいかがだろうか。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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