ハイブリッド技術は存続にかかわる大テーマ−−福井威夫 ホンダ社長

ハイブリッド技術は存続にかかわる大テーマ−−福井威夫 ホンダ社長

2輪車事業の強化、国内4輪車生産体制の革新と並んで、ハイブリッド車の本格普及を重点戦略の一つに打ち出した。

ホンダでは全世界の製品および生産活動において、2010年のCO2低減目標を定めている。CO2低減の最も効果的で現実的な方法は、ハイブリッド技術の活用だ。ハイブリッド車はまだ「環境」のイメージばかりが先行している段階だが、本格普及に向けた次のステージに移行させたい。ホンダは「新型ハイブリッド専用車」を、総力を挙げて発売する予定だ。その普及のためにも、お客様にとって経済的にメリットがある求めやすい価格を実現したい。

ユーザーにとって魅力的な値段と事業の採算性とを、どうやって両立させるのか。

その二つの両立にはコスト削減しかない。量産効果だけではダメで、生産構造全体の見直しが不可欠だ。そこで役立つのが、新型ハイブリッド車に採用した「インテグレーテッド・モーター・アシスト(IMA)」だ。小型・軽量を追求したIMAは、エンジンをメインとして走行しながら、発進・加速など必要時にモーターで助けるシステムだ。モーター一つでバッテリーの量も少なく、大幅なコストダウンが実現できる。そのメリットをフルに生かして採算性につなげたい。

ガソリン価格の高騰など、高燃費車の需要が高まる社会的要因も出てきている。

ガソリン価格高騰でお客様の嗜好が燃費のいい車に移るのは当然。それ以上にわれわれが神経質になっているのは、日米欧を中心に強化される傾向にある燃費規制だ。今後どんなに魅力的な車でも、燃費が悪いと商売できなくなる可能性がある。そういう意味でハイブリッド技術の開発は、企業の存続にかかわる大きなテーマだと考えている。

その他のハイブリッド車の開発を今後どのように進めるか。

発表済みのハイブリッド車「CR−Z」をベースに、新型スポーツモデルを投入する。またスモールクラスでは「シビック」に加え、「フィット」でもハイブリッドを追加したい。当面は小さいサイズの車はハイブリッド車に、大きいサイズは環境ディーゼル車にして対応するつもりだが、将来的には逆の組み合わせも出てくるかもしれない。

販売台数ではどのくらいを見込んでいるのか。

新型ハイブリッド専用車は09年初めに日米欧で発売し、年間で20万台の販売を見込んでいる。フィットなどのモデルへの追加分も合わせると、計4車種で15年に年間50万台程度に膨らむ見通しだ。だが数値目標ありきではない。あくまで一モデルずつの積み重ねによって、将来的な普及につなげていきたい。
(許斐健太 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済)

ふくい・たけお
1944年東京生まれ。69年早稲田大学理工学部応用化学科卒業、本田技研工業入社。88年取締役、98年本田技術研究所社長、99年本社専務。2003年に6代目社長に就任。

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