交渉ベタな人は「伝え方」の本質を知らない

気持ちよく合意してもらえる4つの秘訣

しかし、相手の会社もあなたの会社の厳しい納期を守ろうと頑張って仕事をしているのかもしれません。そして、あなたがこの会社と取引をやめたとしても、すぐに代わりの会社を見つけられる保証はありません。

そんなときには、「いつもうちの厳しい納期に協力してもらって助かっています。実は、1つだけお願いがあります。うちのお客さんは印刷の品質にうるさい人が多いものでここのところ貴社にお願いした印刷物でクレームが連続してしまいました。申し訳ないですが改善方法についてご検討いただけないでしょうか」と言えばいいのです。きっと相手も改善方法を真剣に考えてくれ、あなたにとっても長期的な利益があるはずです。

上司と部下の関係で考えてみると?

これは、上司と部下との関係でもとても有効です。たとえばいつも報告書の作成に時間をかけすぎる部下に対して、もっと効率良く報告書を仕上げるように指導したいときに、「お前は報告書作りに時間をかけすぎている。もっと生産的なことに時間を使わないとダメだ」と言ってしまうと、部下は「自分は一生懸命に働いている」「報告書をていねいに作るのがなぜダメなんだ」と反発してしまいます。

「どんな仕事も手を抜かず、ていねいな仕事をしているね。誰にでもできることじゃないし、すごいと思うよ」と部下をほめてあげるのです。その上で「報告書作りは会社の付加価値を生み出さないからもう少し効率良く作って、その分の時間を営業に使ったら、もっといい仕事ができると思うよ」と伝えてあげてください。こうすればあなたの部下も素直に話を聞いてくれるはずです。

② 相手の顔を立てる

相手の顔を立てるというのは日本特有の習慣で、欧米流の交渉術には出てこない表現です(「save your face」 という言葉はありますが、これは日本のそれと違い、上から目線の言葉のようです)。

自分が全く妥協せず、一方的に相手だけが譲歩した(譲歩させられたと相手が感じている)場合には、交渉が成立しても相手の恨みを買ってしまう危険があります。ですから、金額や納期でもいいですし、相手にかける言葉だけでもいいですから、こちらからも譲歩してあげてください。

私は、一方的に勝つのではなく、相手の顔を立てて交渉を決着させることを「振り上げたこぶしの下ろしどころを作る」と呼んでいます。

たとえば、取引先とトラブルになってケンカになってしまったものの、実は相手の勘違いが原因で、そのことに相手が気づいたとしましょう。こんなときでも相手はなかなか「すいませんでした。自分の勘違いでした」とは言えないものです。一度こぶしを振り上げてケンカを始めてしまうと、一発も相手を殴らずこぶしを下ろすことはプライドが邪魔してなかなかできないからです。

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