これで制裁中?北朝鮮大盛況イベントの内幕 「平壌国際商品展覧会」には西側の出展も多数
一方で、「食品や日用品を中心に、東南アジア企業の参加が増えている」と、在日コリアンで北朝鮮経済に詳しい研究者であるパク・ジェフン氏は紹介する。会場内には「東南アジア企業のブースはこちら」といった表示がなされ、東南アジア企業の製品をまとまって見ることができるような会場になっていたという。
過去、この展覧会にも数回足を運んでいるパク氏は、「展覧会であると同時に即売会のような様相は年々続いている。ただ、買い物に来た平壌市民がこれまでよりも落ち着いて購入している様子が見受けられた」と説明する。
すなわち、以前は“爆買い”のように、外国製品や国産品でも買えるものはとにかく買うという姿勢から、「展覧会での価格と平壌市内での販売価格を比較したり、中身や品質をじっくりと調べ、時には担当者に質問を投げ掛けるなど十分に納得したうえで購入している市民が増えたようだ」という。
ノートパソコンを展示する企業が増えた
また、これまでの展覧会では、北朝鮮の電子関連企業がタブレットPCやDVDプレーヤー、液晶テレビなどを「自主生産」と銘打って展示・販売することが多かったが、「今年はタブレットPCの展示は縮小し、逆にノートパソコンを展示する企業が増えた」(パク氏)。昨年までは、日本製や台湾製などのノートパソコンが新品・中古ともに展示販売されていたが、今年は国内産・自社ブランドと銘打ったパソコンが多かったようだ。
核実験を強行した北朝鮮。「経済建設と核武力建設の並進路線」は、最高指導者である金正恩党委員長が打ち出し続けているスローガンだ。今回の展覧会を見ると、それなりの経済運営、消費文化がますます定着したように思えるが、制裁など対外経済が悪化するなかで「二兎を追う」ことは今後もできるのかどうかは、まだ不透明な状況だ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら