これで制裁中?北朝鮮大盛況イベントの内幕 「平壌国際商品展覧会」には西側の出展も多数
外国からの参加企業の声を聞いてみよう。「掃除道具やタンスなど日用品を販売しているが、平壌市民の間で非常に需要が高いことがわかった」と驚くのは、中国・丹東市の丹東合田貿易取締役のチャン・ジンチュ氏(43)。この展覧会にこれまで6回、参加しているというチャン氏は、「平壌市民の生活水準が向上していることを実感できる。他国企業とも提携など行いながら、北朝鮮での販売量拡大に努力したい」と言う。
食品は展覧会に訪れた市民たちにとって人気商品の1つ。シンガポールのホセングループはこの展覧会にこれまで4回出展。同社はもともと、果物などの缶詰やオリーブオイルを生産・販売し、世界の食品メーカーとも代理店契約を行っている会社だ。
同社取締役のダニエル・リム氏(42)は、「3年前に初めて参加したが、回を追うごとに展覧会の規模と市民からの人気が高まっている」と言う。経済制裁など状況は厳しいが「複雑な情勢の中でも、北朝鮮経済の成長速度は早い。今後も北朝鮮との貿易交渉を継続し、自社製品の販売を増やしていく」と述べた。
北朝鮮の企業も人気に
北朝鮮の国内企業の参加も人気を集めているようだ。特に、化粧品や台所、掃除用品といった日用品に国内企業が多く参入、平壌市民の人気も国産品を好む傾向が強まっているという。たばこや食料品メーカーである「わが故郷(ネコヒャンチプ)合作会社」もその1つ。特に最近では、スポーツ用品や日用雑貨を製造し、国内販売とともに輸出も行っている。
「多くの市民が買ってくれたおかげで、知名度やブランド力が上がっている」と、同社ブースで対応する金順美氏(28)は自社製品の販売に手応えを感じているようだ。同社は現在、運動服などが人気のようで、平壌市民での知名度が高いメーカーだという。
今年春に開催された春季国際商品展覧会では、中国企業の参加がとても少なかったと言われている。これは年初に北朝鮮が実施した核実験で、中国政府などが展覧会への参加を積極的に後押ししなかったため、とされているが、それでも「2年前と同レベルの参加数に見えた」と前出の在日コリアンは打ち明ける。
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