iPhone7、日本で独り勝ちする決定的な理由 Androidは「消費者の投資」を保護していない

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耐水・防塵やFeliCaへの対応は、これまでAndroidスマートフォンを購入する動機になり得た。「FeliCa対応がiPhoneの売り上げに著しく貢献するか」と言えば、買い替えを後押しするほどのドライブ力はないだろう。

なぜならスマートフォンにFeliCa対応が求められるもっとも大きな理由であるSuicaのうち、おサイフケータイでの決済率は2割程度に過ぎないからだ(かつては4割を越えていた)。すなわち、携帯電話会社主導で主要機種すべてに搭載されているならば、便利な機能として4割以上が利用するものの、iPhoneなど非搭載機種の比率が増えてきたら利用率が下がる。そうした位置付けだと捉えられる。

iPhone 7のFeliCa対応は、既存iPhoneユーザーの一部やこの機能を重視してきた一部ユーザーにとっては手放せないものだが、乗り換えの決定的な理由ではない。しかし、これによって「iPhone 7を選ばない」理由はひとつ減った。同様のことは耐水・防塵といった要素にも置き換えて言える。

これまで以上に美しいディスプレーやスペック以上に「撮影した結果がよいと感じられる」カメラのチューニングなど、弁解の余地のない製品に仕上がっていることは、異論のないどころではないだろうか。

個人的な不満は、薄すぎて持ちにくいことや、(バッテリー持続時間が延びたとはいえ)まだバッテリー容量に不満があることぐらいだろうか。

「ギャラクシーS」のカメラは向上しているが……

ハイエンドのAndroidスマートフォンも、もちろん継続して改良されてはいる。たとえば、このところのサムスン電子「ギャラクシーS」シリーズは搭載カメラの画質が大幅に上昇した。サムスン電子は(事業を閉鎖した)デジタルカメラ部門のノウハウや資産が、カメラ画質の向上に寄与していると話している。確かにその進歩はめざましいが、他社を圧倒するまでには至っていない。

しかし、あえてサムスン電子を選ぶ理由には乏しい。iPhoneではなくギャラクシーを選ぶ理由が必要だろう。ギャラクシーノートシリーズはワコム製の高性能タブレット機能を搭載することで良好な書き心地をもたらす特徴的なペン入力対応製品だが、主流であるギャラクシーSやエッジシリーズで「iPhoneから乗り換えるべき理由」がないとすれば、既存のAndroid市場内での競争にとどまってしまう。

これはXperiaシリーズも同じことだ。XperiaシリーズにはZ1以降、特徴的な高性能カメラユニットが用いられているが、本当にデジタルカメラを置き換えるほどの高性能を引き出せていたかというと疑問が残る。最新機種の商品説明を受けたときには「今度こそ」という言葉を聞いた。性能や機能ではなく“画の質”に関しては疑問を持っているが、まだ未評価のため言及は避けよう。

ただ「iPhoneから乗り換えるユーザーを奪う」という視点で見ると、いずれもそこまでの吸引力があるようには思えない。

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