iPhone7、日本で独り勝ちする決定的な理由 Androidは「消費者の投資」を保護していない

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しかし、これらはいずれも売り上げの“絶対値”に関しての話だ。業界内の位置付けに関して言えば、iPhoneのスマートフォン市場における足場は、この機種においてさらに固まったという印象を製品からは抱いている。とりわけ日本市場に関しては、これまで以上に強さを発揮するだろう。

実はある媒体に「iPhone 7の発表会に参加して感じた感想」について短いコメントを寄せ、iPhone 7が新機能によるスマートフォンそのものの応用範囲拡大よりも、スマートフォンによって変化した社会により的確にミートする製品として弱点を徹底して克服した完成度の高い熟成モデルと評価した。そのうえで、iPhone 7の登場によってハイエンドのAndroidスマートフォンは、その存在意義を問われることになると指摘した。

この記事は煽り気味のタイトルが付けられたこともあって「iPhoneのライバルの存在意義を否定する記事」と紹介されてしまったが、当然ながらAndroidというOSの存在意義や搭載製品そのものを否定する意図はない。

しかしながら、iPhone 7は実に隙のない製品に仕上がっている。耐水・防塵、バッテリー持続性能の改善などはもちろん、iOS10はまだ若干の不具合が残っているものの、現在の時代を反映しての再設計が行われた(これについては発売直前に記事を掲載している)。

iOSとAndroid、乗り換えのハードルは低い

主要なアプリやサービスがiOSとAndroidの両方にリリースされており、iOSとAndroidの間の行き来に関するハードルはさほど高くない。どちらを買ってもよいのだから、Androidスマホの存在意義を問うというほどの違いはないのでは?という意見もあるだろう。確かに、すでにAndroidスマートフォンを使いこなしているユーザーが、意識してiPhoneに乗り換えるだけの魅力を備えているかと言えば、そこには疑問もある。

スマートフォン黎明期とは異なり、“刷新するべき領域”がなくなってきているからだ。

だが、それはライバルも同じだ。毎年、誰も想像していなかったような新技術が導入され、誰もが端末を買い替えたくなる。スマートフォンは、そうした製品ではなくなってきている。今、使っている端末をユーザー自身が感じる「適切な時期」に買い替えようと思うとき、「再び選んでもらえる製品であるかどうか」あるいは「ライバル製品から乗り換えてもらえるものなのか」の勝負だ。

そうした意味において、iPhone 7は既存iPhoneユーザーが買い替えるとき、乗り換え先として、あえて避ける理由がない。あるとすれば価格ぐらいだ。

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