大学生を勉強させる「現実的」な方法 日本の大学生が勉強すれば「日本」が強くなる

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また、ここで紹介した9大学28学部以外の大学・学部に関しても、企業の方が成績を活用する方法はあります。面接で大学生に、

1.授業選択の考え方(どのような授業を選択していたか)

2.授業への向き合い方(授業にどのように取り組んできたか)

を質問したうえで学生の成績を見ることで、その大学生の知的能力の高さや勉強への意欲の高さを知ることができるのです。

さらにNPO法人DSSでは企業に対して、応募者・内定者の成績を収集して、利用しやすいように編集するサービスを今年6月より無料で提供する予定です。

これらを通して、企業が学生の授業に対する取り組み、そしてその結果の成績に興味をもち、採用選考で活用する。そのような企業が少しでも出てくることが、負のスパイラルを正のスパイラルに変え、日本の大学生が勉強する環境を作り、強い日本の基盤となる、第一歩になるのです。

最後に、少し宣伝をさせてください。本連載では紹介しきれなかった調査結果は、拙著『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』に掲載しています。調査結果のより詳細な分析はもちろん、9大学28学部のうち特に評価の高かった68の授業に関しては、「授業ミシュラン」という形でその詳細を紹介しています。ご興味をもたれた方は、書籍のほうも手に取っていただければ幸いです。

調査の概要
○調査期間:2011年10~12月
○調査数:約2000人(各大学・学部4年生の約10%)
○調査対象大学・学部:下記9大学、28学部
青山学院大学(法学部、経済学部、経営学部)、慶應義塾大学(法学部、経済学部、商学部)、上智大学(法学部、経済学部)、東京大学(法学部、経済学部)、一橋大学(法学部、経済学部、商学部、社会学部)、法政大学(法学部、経営学部、社会学部)、明治大学(法学部、政治経済学部、経営学部、商学部)、立教大学(法学部、経済学部、経営学部、社会学部)、早稲田大学(法学部、政治経済学部、商学部)
○調査方法
成績表を見ながら、過去に登録した授業から下記A、Bに該当する授業(語学は除く)を挙げてもらい、その授業内容を聞き取り。
A:「『考える力』を育成している授業」(次の2点のいずれかに該当すると思われるもの)
   1.授業中に質問・ディスカッション・課題等を実施し、学生に授業中に考えることを意図的にさせている授業。
   2.授業だけでなく、それ以外の時間でも考えさせるよう課題、準備等をさせている授業。
B:「『考える力』を評価している授業」(次の2点の両方に該当すると思われるもの)
  1.試験、レポート、課題の内容が個人の「考える力」のレベルによって完成度が変わるようなテーマで選考をしている授業。
  2.A、B、C評価のばらつきがあり、A評価以上は3割以下程度の難しさがあると思われる授業。
より詳しい内容は、NPO法人DSSのホームページ(http://www.npo-dss.com/method.html)を参照してください。
※本調査は2011年10~12月における学生への聞き取りをベースとしています。そのため、現在と状況が異なっていたり、事実誤認がある可能性があります。

 

辻 太一朗 大学成績センター代表

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つじ たいちろう / Taichiro Tsuji

1959年生まれ。京都大学工学部卒業。リクルートで全国採用責任者として活躍後、1999年アイジャスト創業。2006年リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任。2011年、NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(略称DSS)」設立。2014年、大学成績センター設立。著書に『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』(東洋経済新報社)などがある。

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