大学生を勉強させる「現実的」な方法

日本の大学生が勉強すれば「日本」が強くなる

これまで日本の大学教育をさんざんやり玉に挙げてきましたが、実は、大学の先生の中には、きちんと授業に力を入れ、評価を適正に行っている方も多くいらっしゃいます。ですので、そういった授業の成績は、本来企業の採用の参考にできるはずなのです。

問題は、どの先生がきちんと授業や評価をしているのか、企業側には情報がないことです。先生の研究業績は調べればわかりますが、授業への熱意を知る方法はありません。大学の授業はまさに玉石混淆。「悪貨は良貨を駆逐する」理屈で、企業はすべての成績を信頼できなくなっているのです。

だったら、どの授業が採用の参考にできるのか調べて、企業に情報提供すればいい。そう考え、冒頭の調査を実施したのです。

学生を採用するときにどこに着目すべきか

もちろんこの調査は、対象大学・学部も少なく、対象人数も十分とは言えない、不完全なものです。さまざまな制約から、9大学28学部、2000人を対象といたしました。

ですが、大切なのはこういった調査をきっかけに、企業の人事部の皆さんに大学の授業や、そこでの成績に興味を持ってもらうことです。たとえば、「早慶を普通に卒業した学生よりも、立教経営学部を優秀な成績で卒業した学生のほうが、知的能力が高いかもしれない」と思ってもらうことで、大学の授業内容や成績にも目を向けてほしいのです。

そのうえで採用選考時に、考える力を育成・評価している授業の評価を参考にし始めることが、変化のスタートになります。こうして、正のスパイラルが回り始めるのです。

次ページ日本の大学生が勉強すれば「日本」が強くなる
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 最新の週刊東洋経済
  • 岐路に立つ日本の財政
  • 女性の美学
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
ナベツネが腹を割って語る<br>政治、そしてメディアの未来

読売新聞主筆として93歳の今も、社論をまとめる要の役割を果たしている渡邉恒雄氏。安倍首相と定期的に会食するなど、なお政治のキーマンでもある。歴代の首相を知る同氏は現在の政治とメディアをどう見ているのか。本誌編集長がインタビュー。