ユニクロ、好評「4日連続セール」の死角 売り上げ増も、値引き拡大で採算悪化
一方で、想定以上に値引きが増えてしまった。これが採算悪化の理由だ。もっと詳しく見ると国内ユニクロの粗利率(売上総利益率)は、前年同期から1.5%悪化した(グループ全体では1.7%悪化)。セールで店頭に客を呼び込むことには成功したが、収益力は低下するというジレンマに陥っている。
ユニクロはかねてからH&MやZARAなどグローバルファストファッションブランドと比べて利益率で後塵を拝している。2020年に売上高5兆円、経常利益1兆円、利益率20%を目標に掲げるファーストリテイリンググループにとって、事業の主力である国内ユニクロの採算悪化は放置できない問題だ。
消費増税には「据え置き」
そうでなくても1年後には、国内ユニクロ事業の採算を悪化させる要因が持ち上がる。14年4月に5%から8%に引き上げられる予定の消費増税である。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は消費増税について「(価格は)当然据え置き、と思っている」と宣言。実質的な値引きとなるため、そのとおりとなれば、単純に粗利に響く。
ユニクロはどうするのか。ファーストリテイリングの岡崎健CFOは「お客様に好評な4日間の限定商品販売は続けていく」と話している。一方で、粗利率の悪化を食い止めるために、「品番を引き締めていく」(同)と値引き対象商品を減らすことで、軌道修正していく方針だ。
今期は春夏商戦の目玉商品が、狙い通りの成果を収めるかもポイントになる。春物は今年からメンズにも展開した「レギンスパンツ」や、「ウルトラストレッチジーンズ」などのボトムス、吸湿冷感インナー「エアリズム」を投入。3月の既存店売上高は前年同月比23%増で、足元の4月も春物を中心に順調な滑り出しを見せている。
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