流行っているレストランが続々潰れる理由
残念なのは、非常にはやっていた人気店舗でも、ドラスティックな値上げに耐え切れず頻繁に引っ越しを余儀なくされることだ。
最近も、つい先月まで毎日満席だった広東料理屋さんが、ある日いきなり遠くに引っ越してしまった。
ほかにも私が好きだったヘルシーなチキンとハンバーガーを売っているファストフードレストランもセントラルのエクスチェンジスクエアから引っ越しを余儀なくされ、お気に入りのベジタブルスープとフライドチキン(胸肉オンリー)を買い損ねた私は悲嘆にくれている(しかし私の食生活を案じてくださる皆様におかれましては、ぜひ安心していただきたい。実は私の香港のマンションの地下1階に、2年間気づかなかったが同じチェーンの店舗があることが判明したのだ)。
家賃更新はキャッシュフローを左右する一大交渉
さて、毎年の家賃交渉で値切りテクニックも随分磨かれたが、とにかく値上げしようとしてくる大家さんの迫力はすごい。
それに対しあなたは、“ほかの同等グレードのマンションの比較データリスト”や“経済成長鈍化グラフ”や“最近友人が10%の値上げですんだ”などの説得力に乏しいデータを必死に用意して応戦しつつ、「長年住んでいるじゃないか」「キッチンは全然使っていないから今年もピカピカじゃないか」と最後は情に訴える。香港の家主も血の通った人間なので、人間関係を親密にすればそれなりに温情を施してくれる(・・・人もいる)。
なお最後の手段として、1年分全額を一括して支払うことで、1年だけ現状維持することに成功した経験もある。とかく、香港における毎年の家賃更新はビジネスパーソンのキャッシュフローを大いに左右する一大交渉事項なのだ(実際はエクスパット(本社から海外支社に派遣される社員)手当で会社がその大半を補助してくれるのだが……)
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