吹き飛ばされて重傷を負ったことは一度もないそうだ。ただ、巻き上がる砂塵で肺が危険にさらされるので、医師から「竜巻に突入するのをやめるか、タバコをやめるかだ」と言われ、タバコをやめた。スクリーンの前にマットレスと枕が用意され、危険な行為をゴロンと寝転がって見られるようになっている。
展覧会を担当する学芸員の吉﨑和彦さんは、アリスの魅力をこう語る。
「今回の作品には、歩くこと、都市へ物語を挿入すること、周縁にいる人々のクリエイティブな活動に目を向けること、メキシコの政治に深くかかわっている歴史的、社会的事件に言及することなど、アリスの作品のエッセンスが詰まっています。社会的な問題を直接的な表現ではなく、非常に詩的なアプローチで扱っている。当事者だけでなく、第三者にも共有できる問題に、アリスの表現力が昇華させています」
第1期のメキシコ編(4月6日~6月9日)は、メキシコシティで制作した作品を中心に、映像、写真、絵画などでこれまでの活動を振り返る。
第2期のジブラルタル海峡編(6月29日~9月8日)は、2008年にジブラルタル海峡で行ったプロジェクトを紹介する。映像、絵画など、複数のメディアを使ってひとつのプロジェクトを多角的に見る。
「フランシス・アリス展」
第1期 MEXCO SURVEY メキシコ編 4月6日~6月9日
第2期 GIBRALTAR FOCUS ジブラルタル海峡編 6月29日~9月8日
東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1
TEL 03-5245-4111
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日 月曜(4月29日、5月6日、7月15日は開館)、4月30日、5月7日、7月16日、6月10日~28日
一般1100円(第1期の観覧済みチケットの呈示で500円に割引)
広島市現代美術館でも再構成した展覧会が開かれる(10月26日~2014年1月26日)。
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