大統領選ヒラリー敗北で「ダウ暴落」の真実味

ヒラリーとトランプ、支持率再拮抗の「謎」

今、支持率は、ここにきてトランプの愚かさより、ヒラリーの邪悪さが目立ってきたからだ。ただしサプライズではない。以前このコラムで紹介したDモリス氏は、トランプがヒラリーに勝つ手段として、以下の重要争点を挙げていた。

① ヒラリーの政治的な過去は変えられないが、ビジネスマンのトランプの過去は政治家よりも軽い。さらに破天荒な態度は徐々に変えていくことが出来る。

② ヒラリーが勝つと空席の9人目の最高裁判所判事をヒラリーが任命する。最高裁判事に任期はなく、本人が自分で辞めるまで、亡くなるか、弾劾されるまで、延々と続く。現在最高裁のバランスはリベラルが4人保守4人。ヒラリーがリベラルな判事を選ぶと、ヒスパニックや不法移民が大量にアメリカ人になり、アメリカはアメリカでなくなる。

③ このまま民主党政権が続いてサンダース化が加速すると、アメリカは欧州のような「社会主義国家」へ移行する

ヒラリーが嫌われている本当の理由とは?

7月の党大会でヒラリーがトランプを引き離したのは、イラクで戦死したイスラム兵士の両親を利用したからだが、圧倒的数の白人戦死者の親にとっては、なぜアメリカはこんな愚かな戦争へ突き進んだのかの方が本当は重要である。そこでは保守派を代表したブッシュ大統領に、反対すべき民主党の上院議員たちまでもが、なぜ賛成したのか。

ヒラリーは、トランプの発言の非常識を攻撃することで自分の過去を隠してきたが、トランプがメキシコを電撃訪問し、敵対しているはずのメキシコ大統領からも受け入れられたことで、今度は自分の過去の弁明をする羽目になった(2003年のイラク決議への賛成)。これからは討論会など②と③が焦点になる。討論となれば、あの共和党の激戦を勝ち抜いたトランプは手強い。

そして彼女が嫌われている最大の理由は、民主党のピラミッドの頂点に立つビル・クリントンの邪悪なイメージを、ヒラリー自身が背負ってしまっているからだと思う。ビル・クリントンが本当に邪悪かどうかはわからない。だが私生活が露見してからは、正直ではないレッテルを貼られてしまった。男としては気の毒なのだか、クリントン時代の好景気を知らないミレニアルからすれば、ヒラリーは何回も浮気をした夫を赦してしまった古い世代の女性に写る。

一方のトランプは、本業とは裏腹に自分は酒も飲まず、大麻などにも否定的。ビル・クリントンが、1992年の大統領選で、学生時代の大麻問題を追及された際、「臭いはかいだが肺まで吸い込んでいない」という情けない言い逃れをしたこととは対照的だ。トランプは非カソリック系の白人キリスト教信者から強い支持を受けているが、彼の離婚回数は正直さの表れであり、リベラルなクリントンの浮気の回数は、正直ではない証明ということになるのだろう。

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